歩行者優先なのに。信号機のない横断歩道で2台に1台が一時停止しないのはなぜ?
信号機のない横断歩道では一時停止を徹底しよう
信号機のない横断歩道で、トラックに児童がはねられ命を落とすなど、痛ましい交通事故は後を絶たない。自分が加害者になることも、家族が被害者になることもあり得る。このことを忘れず、ドライバーの皆さんには、横断歩道では歩行者優先の意識を持ってもらいたい。 先のJAFのインターネットアンケート調査では、信号機のない横断歩道で一時停止しない理由として「自車が停止しても対向車が停止せず危ないから」が多くあげられていたが、対向車にとっては自分自身も対向車なのだから“こちら”が止まれば“あちら”も止まる可能性は十分にあるだろう。同様に「車の流れを止めたくない」ときも、自分か、もしくは誰かが止まってくれれば、自然と止まることができるはずだ。「対向車も後続車も止まらないから」ではなく「自分が止まる」という意識を持つといいのかもしれない。 同時に、運転中は路面の「ひし形マーク」にも注目してもらいたい。信号機のない横断歩道の手前には、この先に横断歩道があることを意味するこのマークが表示されている。路面の表示を見落とさないようにしていれば、確実に横断歩道前で減速・停止できるはずだ。 小学校付近の信号機のない横断歩道で、ドライバーに対してお辞儀をしてから渡る児童を見かけることがある。それはそれで、とてもよいマナーだと思う。ドライバーと歩行者が敵対していても、安全は守れない。一方で、住宅地の信号機のない横断歩道で、杖をついてゆっくりと歩を進める高齢の女性に対し、急げと言わんばかりにジリジリと近付くドライバーを目にすることもある。 本来であれば、児童らがお辞儀をしなくても、高齢の女性がゆっくりとしか横断歩道を渡れなくても、ドライバーは一時停止をしなければいけない。お互いにマナーよく接するのは大切だが、忘れてはいけないのは、止まる義務はクルマ側のドライバーにあるということだ。 まずはドライバー自身が、自分が歩行者だったら……という視点を持ち、思いやりのある運転を心がけるのが、ドライバーも歩行者も安心・安全、そして気持ちよく道路を利用することにつながるのではないだろうか。