【プレビュー】お馴染みとなった中東UAEでの最終戦…第24戦アブダビGPはトワイライトレース|F1
第24戦アブダビGP / ヤス・マリーナ・サーキットのレイアウト
アラブ首長国連邦のアブダビにあるヤス島に建設されたサーキット。市街地コースではなく、完全なパーマネントサーキットとして2009年に建設され、現在に至るまでアブダビGPの舞台として使用されている。 2020年までは高速コーナーから低速コーナーまでバラエティ豊かな21のターンがあるコースとなっていたが、2021年より複合カーブや一部シケインなどが統合されてターン数は16に減少。セクター2序盤にあったシケインからのヘアピンカープも構成が大きく変更され、ゆるかやなヘアピンへと変わっている。 その他、セクター3の複数コーナーも統合されるような形でターン数が減り、2021年から高速コース特性が強まることとなった。 オーバーテイクポイントはDRSとストレートエンドのターン6、ターン9となる。2021年の最終戦アブダビGPでは、ファイナルラップのターン5でマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンのインを突き、最後の1周で逆転したことも。同年のドライバーズタイトルはこれで決した。この区間も要注目の勝負どころとなる。
2023年のレース結果
2023年のF1最終戦、第23戦アブダビGP決勝は2023年11月26日に行われた。 ヤス・マリーナ・サーキットの同年最終戦では、ドライバーのほとんどである17名がミディアムを第1スティントに選択。13番グリッドのランス・ストロール、16番手カルロス・サインツ、18番手バルテリ・ボッタスの3名がハードを装着した。 レースがブラックアウトとなり、ポールスタートのマックス・フェルスタッペンがトップでターン1へと飛び込んでいく。6番グリッドの角田裕毅はフェルナンド・アロンソに抜かれて7番手となったが、ターン6の飛び込みで6番手を奪い返した。前方ではフェルスタッペンとチャールズ・ルクレールがやり合うが、フェルスタッペンがトップでオープニングラップを終えている。 ここからレースはしばらくトレイン状態が続き、3/58周からDRS使用可能となる。角田は前にジョージ・ラッセル、後ろにアロンソという立ち位置ながらレースペースは悪くなく、ラッセルの1秒以内で周回を続けていった。 11周目のターン9で、ラッセルはオスカー・ピアストリを抜いて4番手に浮上。角田の前はこれでピアストリとなった。 14/58周目にピアストリがピットに入り、角田は前がクリーンエアになったこともあってペースを上げる。 フェルスタッペンは17周目にタイヤ交換を行い、ハードにつないでいる。18周目にルクレールがピットに入り、まだピットに入っていない角田が19周目より、初めてF1でのラップリーダーとなった。 ミディアムスタートのクルマでロングランをしているのが角田のみ。ハードからハードにつないだドライバーもいるため、ライバル勢が軒並み2ストップ作戦確定となる中、アルファタウリ&角田は1ストップ作戦で勝負をかける。 23/58周目に角田はピットイン。ハードの第2スティントにつなぎ、角田は12番手でトラック上に戻った。その後、すぐさまボッタスを抜いて11番手に順位を上げている。 ほぼ一通りタイヤ交換を行った24/58周目時点で、トップはフェルスタッペン。5秒後方に2番手ルクレール、そこから2秒差で3番手ラッセルとなった。 角田はハードを履いてから1分29秒台のラップを安定して刻んでいき、前のハミルトンを追っていく。 32/58周目から、徐々に2度目のピットストップへ入るドライバーが出てくる。角田は第2スティントでもロングランしているため、一時は3番手を走行。だが後方から迫る第3スティント勢、ルクレールやラッセルに38~39周目にかけて抜かれる。角田は42周のターン6でノリスにもかわされ、6番手となった。 トップのフェルスタッペンは中盤からクルーズ状態でペースをコントロールし、44/58周目に2度目のピットインを行う。 上位勢のほとんどが第3スティントに入った49周目時点で、フェルスタッペン、ルクレール、ラッセル、ペレス、ノリス、ピアストリと続き、7番手に1ストップ作戦の角田となった。角田は残り10周で7番手となり、後方のアロンソとは5秒差。アロンソは1ラップあたり角田より1秒ほど速く、最後までP7を守れるかどうかが最大の焦点となった。 そして残り3ラップの56/58周目、角田とアロンソの差はDRS圏内の1秒以内に入ってくる。それでも角田はロングスティントのハードながら、自己ベストを叩き出し、懸命の抵抗を続けていく。だが57周目のターン9でアロンソにパスされ、P8となってしまった。