アグレッシブな新スタイルの日テレ・ベレーザ。若いチームは、これからどのように成長するのか?
5月2日に行われたWEリーグ第18節、日テレ・東京ベレーザ対アルビレックス新潟レディースの試合は非常に激しい攻防が展開された。
ここ数年、ベレーザのほか浦和レッズ・レディース、INAC神戸レオネッサの3クラブが突出した力を持っていた日本の女子サッカー界。しかし、WEリーグ発足によってその他のクラブの実力も向上。どの試合もプレー強度が高まり、少なくともどのクラブも「ビッグスリー」に対して激しい抵抗ができるようになっている。
その象徴的存在が新潟。3月10日に行われた新潟ホームの試合ではベレーザを破っており、現在、浦和とI神戸に次いで3位という地位に付けている。
新潟は現在の位置をキープして「3強」の一角を崩したいだろうし、ベレーザはかつての「絶対女王」の意地にかけても3位の座は死守したいところだ。
ベレーザが、今シーズン、苦しんでいるのはチームの切り替え時期だからだ。
主力選手が次々と海外クラブに流出したということもあるが、ベレーザは今シーズンから新指揮官として迎えた松田岳夫監督の下、新しいスタイルに挑戦しているのだ。
ベレーザは東京ヴェルディ、いや、その前身である読売サッカークラブの女子部門として誕生し、これまで数多くの日本代表選手を輩出してきた名門中の名門だ。
昨年の女子ワールドカップでベストエイトに入り、パリ五輪でもメダル獲得を目指す日本代表(なでしこジャパン)にも数多くのベレーザ出身の(あるいはベレーザ所属経験のある)選手たちがいる。
そして、男子の読売クラブ以来伝統のテクニックを重視し、パスをつないで相手を崩すスタイルこそが「ベレーザのサッカー」だった。
しかし、世界のサッカーは男子も女子もハイプレスをかけ合うカウンター・プレッシングの時代に入り、日本の女子クラブでも浦和のようにフィジカルの強さを生かしたダイナミックなプレーをするチームが増えてきた。そんな流れの中で、テクニックとパスだけでは時代に取り残されてしまう。