【大好きなおばあちゃんが、記憶をなくしてしまったら?】料理家ウー・ウェンさんに聞く「中国のおばあちゃんと孫のきずなと愛情」<中国翻訳絵本『トウモロコシの おもいで』>
薄皮を残してトウモロコシを蒸すと格別なおいしさ!
―― 絵本のお話の最後で、おばあちゃんと「わたし」は、おうちに帰ってトウモロコシを食べます。どんなふうに食べたと思いますか? ウーさん:蒸して食べたと思いますよ。新鮮なトウモロコシをおいしく食べるのは、これがいちばんですから。 ―― トウモロコシを蒸して食べるのですか。 ウーさん:そうです。茹でてももちろんおいしいですが、薄皮をつけたまま蒸し器で蒸すと格別です。そして、食べる人が自分で茎を持って、皮をむきながらいただくんですよ。トウモロコシの持つ甘みをそのまま楽しめますし、なにより衛生的でしょう? ―― おいしそう! さっそく試してみます。 ウーさん:街角のお店では、味付玉子と蒸しトウモロコシがおやつとして売られていて、風物詩のようになっています。主な食べ物は小麦粉とトウモロコシというほど、北京の人たちにとってトウモロコシはとっても親しい食べ物のひとつです。 中国は医食同源の国ですから、自然なトウモロコシは健康的なイメージがあるんです。ちょうど今の季節は、新鮮なトウモロコシをいただけますよね。甘くてほんとうにおいしいです。
トウモロコシをおいしく食べるおすすめレシピ
―― おすすめのトウモロコシ料理を教えてください。 ウーさん:「トウモロコシとトマトのスープ」がおすすめですよ。水を入れた鍋に芯から包丁で削り落としたトウモロコシの実を入れて火にかけます。お湯が沸いてきたらザク切りにしたトマトを入れて、塩、コショウ、ごま油で味を調えます。お好みで仕上げに溶き卵を回し入れてもいいですね。トウモロコシとトマトから旨みが出ますから、出汁を入れなくても大丈夫です。 これだけで朝ご飯として充分。暑い夏には、冷たいものより、温かいものを食べた方が体にいいんですよ。水やトマトを1個にするか2個入れるかなどの量は、その日の加減で自分で調整してくださいね。トウモロコシやトマトの状態もその日によって違うんのですから、かえって少し変化があったほうが毎日食べてもぜんぜん飽きがきませんよ。 ―― おかずになる料理はありますか。 ウーさん:「トウモロコシと夏野菜の蒸し煮」はいかがでしょう。フライパンに油を敷いて火にかけ、刻みにんにくを入れて香りを立てます。ザク切りしたズッキーニとパプリカ、ナスを入れて蓋をして弱火で蒸し煮します。夏野菜には水分がたっぷり入っていますから、水は入れなくていいんです。野菜に火が通ったら、最後に削ったトウモロコシを入れて1~2分加熱し、塩を少々入れて味を調えます。 ―― 焼いたお魚に乗せて食べてもおいしそうですね。 ウーさん:そうですね。自然な甘みがあって、野菜がたくさん食べられますよ。