中学受験シーズン到来、鉄道ファンには実はチャンス問題が多い?(後編) トンネルが造られた年代の見分け方、さらに今年予想されるテーマは…「鉄道なにコレ!?」【第54回】
【問題9】【問題8】の答えを選んだ理由を30字以内で説明しなさい。 ▽新幹線の路線数は 最後に筆者がもう1問出題する。 【問題10】日本の新幹線は全部で何路線あるか。ただし在来線扱いの路線は含まない。 ▽解答編:渋谷教育学園渋谷中学校 【問題6の解答】カ 出題された地図に記されている3つのルートは群馬、新潟県境の近くにあるJR東日本の上越線の上り線と下り線、上越新幹線だ。建設された年代順をつかむヒントとなるのが、問題文の「鉄道のルート選びには、その時代の土木技術の水準が影響しています」という記述だ。 列車の到達時刻を短縮するにはできるだけ短い距離で結んだ方が良いものの、土木技術が進んでいなかった時代には高低差が大きい山岳地帯に直線的なトンネルを掘るのが難しかった。 つまり直線的なトンネルが最も短い距離でつないでいる「A」は土木技術の水準が向上した後に建設されており、最も新しいと類推できる。
一方、「C」は線路がループ状に一周するトンネルになっている。勾配が大きい直線的なトンネルを掘ることが技術的に難しかったためループ式を採用しており、直線的な残る2つのトンネルより昔に建設された最も古いトンネルだと推察できる。 よって「カ」のC→B→Aの順番となる。 ▽解答編:国境の長いトンネル 【問題の解答7】C Cは1931年に開通した上越線の「清水トンネル」で、鉄道ファンには国内に現存する数少ないループ線の一つとして有名だ。ループ式を用いたのは建設技術が未熟だった以外の理由もある。電気機関車が客車や貨車を引いて勾配の大きな区間を登るのは大変なため、線路をループ状にして走る距離を長くすることで坂を緩くしたのだ。 Bは複線化のために建設され、1967年に開通した「新清水トンネル」だ。群馬県から新潟県へ向かう下り線に使われている。単線時代は双方向の列車が行き来していた清水トンネルは複線化後、上り線に用いられるようになった。