不安が止まらない強迫症をどう克服する? 自宅でできる治療法ってあるの?
診察時にアドバイスをもらい、ホームワークで実践する
保険診療の場合、多くはひとり当たり10~15分くらいの診療時間になります。限りある診療時間を有効に使うために、医師に伝えるポイント、質問したいことをある程度考えておき、自分にとって重要と思われる質問から順に話すことをおすすめします。 診察時に医師から提案された治療に対し、「でも」「だって」「どうしても」などの言葉はなるべくつかわないほうが良いでしょう。長年、多くの患者さんを治療してきた経験上、早く良くなる患者さんは、これらの言葉をつかわない傾向があります。アドバイスを受けたことを素直に聞く方ほど、改善が早まります。その方々も心のなかでは「えーっ ! 大変だなぁ」と思っていたのだと思います。でも「がんばってやります」と言えば、言行一致させようとするのが人間です。ぜひ、「はい、わかりました、がんばります」と言ってみましょう。
診察そのものより自宅で課題を継続するホームワークが重要
行動療法では、診察そのものより自宅で課題を継続するホームワークが重要になります。 ピアノのレッスンにたとえて話しましょう。ピアノのレッスンでは、与えられた課題を家で練習し、先生の前で弾き、先生から「ここはこうするといいよ」などのアドバイスをもらいます。 先生のアドバイスを参考に、次のレッスンまで練習し、また先生の前で弾いて次のアドバイスをもらいます。レッスンより練習(ホームワーク)に費やす時間のほうが圧倒的に長いはずです。 行動療法も自分で課題を実践し、それを記録し受診時に持参します。 自宅でやったことを医師に伝え、医師からアドバイスをもらいます。アドバイスを参考にして次の受診まで課題をくり返します。 ホームワークに前向きにとり組み、継続させるためには、医師からのアドバイスが欠かせません。定期的に受診し、次回受診までの課題を医師と約束し、次の受診で報告しようと思うことが治療への動機づけにもなります。
野間利昌 (監修)(精神科医。セレーナメンタルクリニック院長)