踏切自殺偽装事件の被害者に生前にも暴行 容疑の社長と元同僚の3人を再逮捕
令和5年に東京都板橋区の踏切で塗装工の高野修さん=当時(56)=が自殺に見せかけて殺害された事件で、警視庁捜査1課は8日、生前の高野さんへの暴行容疑で、以前の勤務先だった「エムエー建装」(東京都小平市)社長の佐々木学被告(39)=監禁罪で起訴=と、いずれも元同僚の岩出篤哉被告(30)=同=、島畑明仁被告(34)=殺人罪などで起訴=を再逮捕した。 【表でみる】東京都板橋区の踏切で高野修さんが死亡するまでの経緯 再逮捕容疑は共謀して5年7月12日夜、静岡県富士宮市内のビジネスホテル一室で高野さんの首を絞めた上、抱えてベッド上に落としたほか、顔を殴るなどの暴行を加えたとしている。同課は認否を明らかにしていない。 事件当時、高野さんと容疑者らは出張中だった。容疑者らのスマートフォンを解析したところ、約30分間にわたって笑いながら高野さんを暴行したり、暴行を止めるよう懇願する高野さんの顔を蹴ったりする様子が収められた動画が見つかったという。 高野さんは平成26年ごろからエムエー建装に勤務。長期間にわたって社内で激しい暴行を伴ういじめを受けていた。令和5年10月に退社したが容疑者らによる干渉は続いていたとみられ、同年12月に板橋区内の踏切で列車にはねられ死亡。昨年12月には高野さんの死亡に関与した疑いで3容疑者と野崎俊太被告(39)=殺人罪などで起訴=が逮捕されていた。