五輪参加標準記録10秒00は「遅かれ早かれ出る」サニブラウン19日セイコーGGPでパリ決める
陸上男子100メートルで世界選手権2大会連続入賞のサニブラウン・ハキーム(25)=東レ=が16日、都内で行われた会見に出席。今夏のパリ五輪へ「メダルラインに届きたい。やりたいこと、つかみたいことがたくさんある五輪になる」と胸を躍らせた。昨年世界選手権で6位入賞のため、パリ五輪の参加標準記録(10秒00)を突破すれば内定。19日のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP、国立)で「しっかり(標準を)出したい」と誓った。 【写真】サッカー元日本代表の10番と2ショット! 周囲の不安を笑顔でかき消した。サニブラウンは、400メートルリレーで日本男子の出場権を獲得した世界リレー(5日、バハマ)で脚に違和感が生じて決勝を走らなかったが会見の席上、「元気です」と満面の笑み。100メートルでは10秒02、10秒04と好タイムで安定したレースを繰り返しているだけに「(標準は)遅かれ早かれ出る。例年に比べて状態は上がっている」と自信を見せた。 苦い経験をした舞台で、個人での五輪切符を決める。今季国内初戦となるセイコーGGPは21年東京五輪の会場でもあった国立競技場で開催。当時、サニブラウンはヘルニアの影響で力を出せず、100メートルで代表を逃し、200メートルも予選落ち。「歩くこともできず、寝たきり。寝転がっても苦痛。それが一番つらかったです」 それでもサニブラウンは下を向かず「練習の仕方やウェートの組み立て方を模索して」復活。22、23年世界選手権で決勝に進み、世間を驚かせた。五輪以来、2年9か月ぶりに戻ってくる国立。今度は多くの観客が見守る中でのレースで「ここでしっかり(標準記録を)出して、夏のビッグイベントに向けて準備していきたい」と言い切った。 これまで課題だったスタートもトレーニングで克服。更なる進化にも自信を見せる。「東京五輪に比べて走り方、体格、全てにおいて全然違う。世界陸上で決勝には行きましたが、満足のいく結果は出せていない。(パリの)決勝で100%を出してメダルを取りたい」と決意も新た。夏の大舞台で悲願をかなえるため、GGPをゴーゴーパリのステップにする。
報知新聞社