ESGファンドまたも期待裏切り、世界で約770本がアダニ関連株保有
ESGファンドの運用者はESGリスクから投資家を守るため特別なスクリーニングを実施すると想定されており、そのために手数料が通常よりも高くなる場合が多い。それにもかかわらず、ESGラベルは何度も期待を裏切っている。
ブルームバーグはロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻した際、ESGファンドがロシア資産を保有していると報じた。 保有資産は国債や国営石油・ガス会社に及んだ。 ESGファンドはまた、ガバナンスリスクの高まりに対応できず、昨年前半に米シリコンバレー銀行(SVB)が破綻した際も判断を誤った。
シンガポールのSGMCキャピタルのポートフォリオマネジャー、モヒト・ミルプリ氏は、数百本のESGファンドが今もアダニ・グリーンに投資している事実は「驚くべきこと」だと指摘する。同氏は、レバレッジに過度に依存している懸念から22年末にアダニ・グリーン社債を売却したと言う。
ミルプリ氏はアダニ・グリーンについて「現時点で株式を保有する理由はない」とし、ESGファンドによる同社株の保有について、ガバナンスリスクを適切にスクリーニングする能力を「疑わせる」と語った。
ESGと長年距離を置いてきた投資家らは今回の事例を、欠陥を指摘する好機と捉えている。
英ヘッジファンド、アルゴノート・キャピタル・パートナーズの創設者兼最高投資責任者(CIO)のバリー・ノリス氏はアダニ・グリーンの事例について、ESGムーブメントに「不正、ごまかし、悪巧み」が潜み、「道徳の衣」でそうした行為を覆い隠していることを示すと話した。
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原題:Adani Shock Exposes ESG Fund Bosses Caught in ‘Terrible’ Bet (1)(抜粋)