ロシアによるウクライナ侵略で「ゲームチェンジャー」になり得るのは兵器ではなく「能力」 専門家が指摘
ウクライナに欧米諸国の地上部隊を派遣する可能性は現実的にあるのか?
飯田)ヨーロッパ各国ではウクライナ支援会議なども行われました。そのなかで、マクロン大統領の「ウクライナに欧米諸国の地上部隊を派遣する可能性を排除すべきではない」という発言がハレーションを起こしましたが、現実的に(派遣は)考えられるのでしょうか? 小泉)マクロン大統領の言う「地上部隊の派遣」が何を意味するかということです。例えば、NATO軍を送り込み、ドンバスでロシア軍と殴り合うというような意味ではないはずです。それは誰もがあり得ないと思っていますし、私も絶対にやらないと思います。 飯田)あり得ない。 小泉)他方で、「平和維持部隊のようなものを送ってはどうか」という話は以前からあります。平和維持部隊を送り、平和維持部隊がいるところまでロシア軍が攻めてきたら「事実上、NATOとの戦争だ」となる。あるいは国際平和維持部隊のような形にしたら、そこには人民解放軍や、場合によっては陸上自衛隊がいるかも知れない。「これは世界中との戦争だ」と示すことで、抑止力とする案はあるのですが、リスキーなので実現していません。おそらく原理原則を言ったに過ぎないのだと思います。