MUFG亀澤社長、金融庁の業務改善命令など受け陳謝-株主総会
(ブルームバーグ): 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の亀澤宏規社長は27日、都内で開いた定時株主総会で、顧客情報共有に関する規制違反などで傘下銀行や証券2社が金融庁から行政処分を受けたことについて、「株主をはじめ、関係者にご迷惑ご心配をおかけしていることを深くおわび申し上げる」と陳謝した。
亀澤氏は「銀証連携ビジネスにおける各種法令に関して正しい理解に基づき順守する意識の浸透不足に加え、モニタリング部署で検知やけん制をする体制が不十分だった」と振り返った。「MUFG、銀行、証券は厳粛に受け止め、信頼回復に向け、再発防止に取り組んでいく」と述べた。
金融庁は24日、三菱UFJ銀行と証券会社2社に対し、顧客企業の情報を無断で共有したなどとして業務改善命令を発令。持ち株会社のMUFGにも問題が起きた原因の分析などについて報告を命じた。グループで経営管理体制や法令順守体制を強化するよう求めている。
行政処分の対象となった事案に関係した役員などの社内処分について亀澤氏は、「それぞれの責任に応じ、今後、社内規定やプロセスに基づき適切に対処していく」と話した。高瀬英明常務は報酬委員会で議論を始めていると述べ、減給検討などを示唆した。
亀澤氏は総会で、社債の引き受け主幹事で顧客企業が「弊社グループとの取引を見あわせる動きもあり、重く受け止めている」と発言。ただ、行政処分を受け、開示が必要となる大きな業績への影響は判明していないと説明し、再発防止策をできるだけ早期に公表する意向を示した。
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Hideki Suzuki