男子プロゴルファーのプロテイン事情 トレーナーがオススメの飲み方は?
「プロテイン」と聞くと、昔はマッチョ御用達のイメージだったが、健康意識が高まった現在は日常的に摂取する人も増えた。タンパク質など必要な栄養素を摂れるので、補食としても重宝される。では、アスリートであるプロゴルファーは? プロテイン事情を聞いてみた。 【画像】渋野、古江らが使うシャフト この2年ほどで“細マッチョ化”が進んだ石川遼は「一日1杯。試合中は中盤に飲むようにしている」と話す。運動中か運動後に飲むようにしていて、位置づけはあくまで食事の補助という。「自分は飲み物というよりは『我慢』という感じ。体に良いサプリだと思って“摂取”している」。やはりマズいときつい。お気に入りは「チョコとかグレープとか、夏はアセロラがいいです」と風味にもこだわる。 平田憲聖も一日1回派。筋肉量や体重維持のため、夜寝る前に飲む。一方、杉浦悠太は必要に応じて飲む“時々派”だ。「飲むとしたらトレーニングの後。一日何回とかでなく、時間的にご飯が食べれないときとかは飲むようにしています」とプロテインに頼らない食生活を心がけている。
「僕が飲んでいるのはコレ」と紹介してくれたのは42歳の市原弘大。「ウオテイン」といい、スケソウダラ由来の“速筋タンパク質”を摂取できる。毎日の習慣でなく、主にトレーニング翌日の筋肉回復期に飲む。ただし、摂り過ぎは負担になるため、必要量にとどめる。「もう歳も歳だし、全部きれいに消化できるわけでもない。飲むときも普通の一杯分より少なめにしています」。速筋は加齢とともし落ちやすい筋肉らしく、まさに“中年世代”にぴったりなのだ。
自身の知識や食環境に合わせて飲んでいるプロゴルファーたち。実際のところ、理想の飲み方はどうなのか? 石川や岩田寛、大槻智春らのトレーナーを務める金田埈範氏に話を聞いた。 「ご飯をしっかり食べれていれば、プロテインはそんなに飲まなくてもいい」。しかし、トーナメント中は早朝スタートや長時間ラウンドなどがあり、まともにご飯を食べるタイミングがなかったりする。連戦中に体重が落ちる選手にとって、プロテインの役割は大きい。「体力を落とさないのが第一です。ご飯代わりに栄養を摂る目的で朝に飲んで、体重が落ちる選手だったらエネルギーをゆっくり吸収できる就寝前。基本は朝、昼、夜と日に3回ですね」。体力が持続すればケガ予防にもなる。 さまざまな種類があるプロテインだが、「甘味料が入っていないもの」が一番良い。何より避けたいのは筋肉量も体脂肪も落としてしまうことだ。「オフに鍛えたものをシーズン中に落とさないように。しっかりと栄養を摂って、維持していくことが大切です」。ゴルファーがプロテインを飲む理由はやはり、強くなるためだ。(横浜市保土ケ谷区/合田拓斗)