マフラーの音が懐かしい? アバルト500e x ミニ・クーパー SE(1) 小さな電動ホットハッチ乗り比べ
エグゾーストノートが懐かしい?
エンジンサウンドやエグゾーストノートが懐かしい、と思うドライバーもいらっしゃるだろう。だが、筆者はそうでもない。 2024年の現実は、少し息苦しそうなノイズを放つ3気筒か4気筒ターボに、多段ATという組み合わせが現実的な選択肢。パワフルでも、味わい深いとはいいにくい。 静かで瞬間的に、アバルト500eは154psのパワーを繰り出す。うるさそうな表情を浮かべた歩行者から、睨まれることはない。 英国では、内燃エンジンのホットハッチは希少になった。フォード・フィエスタ STは生産が終わり、ヒョンデi20 Nもディーラーから姿を消した。ホンダ・シビック・タイプRやトヨタ・GRヤリスは高額だし、導入台数も限られる。 アバルト500eでは、サウンドジェネレーターで人工のエンジン音を聞くことはできる。だが、ずっと2速に入ったままのようで、音質も良いとはいえずボボボッとうるさい。そのスイッチは、オフのままで構わない。 駆動用バッテリーの容量は37.3kWhあり、1度の充電で走れる距離は、カタログ値で251km。現実的には、225km前後のようだ。 車内空間は広いとはいえない。自分の身長は185cmと高めだから、太ももが座面からはみ出てしまう。シートを後ろに下げても、余裕は感じにくい。 背が低めの場合は、シートを高く設定することになると思う。身長に関係なく、右ハンドル車では左足を休めておく場所が限られるのも惜しい。 この続きは、アバルト500e x ミニ・クーパー SE(2)にて。
イリヤ・バプラート(執筆) マックス・エドレストン(撮影) 中嶋健治(翻訳)