相続した〈不要な地方物件〉を手放したい…不動産の売買に必要な「登記簿謄本」の入手法
不動産を相続したものの、不要なので売却したいというケースは少なくありません。その際に必要となるのが登記簿謄本、すなわち、登記事項証明書です。ここでは、登記事項証明書の読み方と、相続登記における登記事項証明書の使い方を、IPAX総合法律事務所の工藤敦子弁護士、自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)とは
母が亡くなり、北海道の小樽にある母の実家を相続することになりました。しかし私は、都内に自宅を持っており、今後も小樽に住む予定はありません。一軒家を売却するにはどうしたらいいのでしょうか? (40代会社員・神奈川県小田原市) 一軒家を売却する際は、土地と建物の「登記事項証明書」が必要となります。 登記事項証明書とは、登記簿謄本のことを指します。 本来は、法務局で備える登記簿を謄写した証明書のことを登記簿謄本といいますが、現在では法務局の登記簿もデータ化されているので、登記簿のデータ内容を証明する登記事項証明書が発行されています。 登記事項証明書は、全国にあるいずれの法務局でも取得可能です。その際には、土地であれば「地番」、建物であれば「家屋番号」を指定して取得します。
地番と住居表示は「まったく違う別の番号」
「地番」とは、土地一筆ごとに割り振られている固有の番号のことで、法務局が定めた住所のことを意味します。これに対して「住居表示」とは、市町村が定めた住所のことを意味します。郵便物を送る際の宛先に用いられるため、一般的に「住所」と呼ぶものは、この住居表示のことを指します。地番と住居表示は、まったく違う別の番号です。 地番を調べる際には、法務局にも置いてある「ブルーマップ」で、住居表示から地番を検索します。ブルーマップとは、住宅地図に地番情報を重ね合わせたものです。内容が青色で印刷されているため、ブルーマップと呼ばれています。
登記事項証明書を取得する方法
地番が分かれば、登記事項証明書を取得することができます。登記事項証明書は、郵送やオンライン申請でも取得することが可能です。 郵送で申請する場合は、手数料相当の収入印紙と登記事項証明書請求書、切手を貼り付けた返信用封筒を法務局に送ります。オンラインの場合は、 「登記・供託オンラインシステム」 のWebサイトで申請します。
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