館山の大川隼平さんが岩手の100キロマラソンで優勝(千葉県)
岩手県南部の奥羽山脈沿いを走る「いわて銀河ウルトラマラソン」(同実行委員会主催)で、館山市の飲食店従業員、大川隼平さん(28)が、100キロの部で初挑戦、初優勝を果たした。タイムは、2位に約30分の大差をつける7時間22分35秒で「素直にうれしい」と喜びを語った。 同大会は、個人の100キロと50キロと団体の駅伝で、計1526人がエントリー。100キロは、北上市の北上総合運動公園をスタート、雫石町の雫石総合運動公園をゴールに、1146人がタイムを競った。 競技は、午前4時の号砲でスタート。大川さんは、10キロ付近から単独トップに立った。快調に飛ばしていたが、50キロあたりから足がつり始め、一気にペースダウン。時折歩きながらエイドステーションで水分と栄養を摂取して回復に専念し、追い付かれることなくトップでゴールした。 「ペースダウンしたときが一番しんどかった。後続に抜かれたらどうしよう、完走できるかなと不安だった」と大川さん。「スタッフや沿道の声援があったから復活できた。2位との大差を聞いたときは驚いたけど、すごくうれしかった」と振り返った。 愛知県出身の大川さんは、国士舘大学に入学し駅伝部に入部。持病の左足裏のウイルス性イボの悪化で3年進級時にマネジャーに転向。その後、3度の手術を経て4年次に競技復帰し、平成30年の箱根駅伝登録メンバー入りもした。 卒業後は、一般企業や実業団選手、ヨガ講師などを経て今年2月に館山市に移住。現在は同市北条のカフェで店舗責任者を務めながら、ランニングにいそしんでいる。 ウルトラマラソンへの挑戦は、駅伝部の同期から誘われたことがきっかけ。今年5月には君津ウルトラマラソンで55キロを完走している。大会に向けての調整では最長距離は80キロで、残りの20キロは未知だったという。 「未知の領域に挑戦することが楽しい」という大川さんの今年の目標は、自身初挑戦となるトレイルランニングでの上位入賞。今回のレースで「100キロ走り切る自信はついた。次は未舗装の山道を走ることに慣れていきたい」と話し、7月に長野県の志賀高原で行われる100キロのトレイルランニングレースに挑むという。