どんな投資信託を選ぶと良い? プロが解説する「50歳からの新NISA」
長期的・安定的な世界経済の成長を捉えよう
もちろん、投資信託であれば何でもいいというわけではありません。銘柄選びを失敗すると、資産を減らすことになってしまいます。 投資で資産を増やすというと、値段が安いときに買い、高くなったら売るという短期売買を繰り返すことをイメージする方がいるかもしれません。 しかし、これを成功させるのは非常に難しいですし、そもそも、読者の皆さんが目指しているのは、老後に向けた長期的な資産形成でしょう。ですから、短期的な値動きを気にするのではなく、長期的に基準価額(投資信託の一口の値段)が上がると考えられる銘柄を選ぶべきです。 そこでお勧めなのが、国際分散投資をする投資信託です。日本では人口減少が社会問題になっていますが、世界全体では人口は増え続けており、世界経済は長期的に安定して成長すると考えられます。その成長の恩恵を受けられるように、世界全体に分散投資をしている投資信託を選ぶのです。 現在、新NISAのつみたて投資枠で買える投資信託は約270本ありますが、旧NISA制度のつみたてNISAと同じ基準でスクリーニングされている関係で、ほとんどがインデックスファンド(市場全体の動きを表す代表的な指数・インデックスに連動した投資成果を目指す投資信託)です。 私は、これは改善すべきだと考えていますが、その中で、国際分散投資をするインデックスファンドが人気を集めているのは合理的なことだと思います。
日本経済を成長させる楽しみも味わおう
ただ、国際分散投資をするということは、日本人の資産を海外に投資するということですから、ある面では国富の逸失だとも言えます。 日本の産業界に投資をし、投資を受けた日本企業が競争力の高い製品やサービスを生み出して利益を出し、そのリターンを投資家が受け取る。そんな好循環を生み出して、日本経済をいま一度大きく成長させる。資産運用によって、その一助になるというのも、意義あることではないでしょうか。 新NISAの成長投資枠では、多種多様な約2000本の投資信託から選んで買うことができます。その中には、運用会社のファンドマネジャーが厳選した優良な日本企業に投資する投資信託もあります。 自分が共感できる考え方で運用されている投資信託を見つけて、積立投資をするのも、一つの楽しみになるのではないでしょうか。 なお、名前のせいで誤解している方もいるのですが、成長投資枠でも積立投資はできます。むしろ、一括投資よりも積立投資での利用がお勧めです。