中絶する権利や物価高 鍵握る若者と女性票 アメリカ大統領選挙【報道特集】
同じ街に、産前・産後の女性たちの支援センターがある。 支援センターのチャスティティ・メイズさんは、寄付されたオムツやミルク、チャイルドシートなどを配り、州外からやってくる中絶希望者のサポートもしている。 メイズさん 「酷いことが起こっています。最近ではジョージア州・アトランタでも、女性が亡くなった例が複数ありました。女性は流産していたのに、体内から取り除く処置が受けられず、敗血症を起こしていました。それが中絶になるとして医師は処置しなかったのです」 カーボンデールは小さな街であるため、タクシーやバスなど公共の交通手段が少なく、列車でやってくる患者の送迎をメイズさんが行う。 メイズさん 「アムトラックの駅です。朝3時に患者を迎えに来ます」 ――トランプ氏が再選したらどうなる? 「まず、中絶の問題では女性が選択する権利を奪われるでしょう。さらにトランプは人種差別主義者たちを大胆にし、彼らは差別を露骨にできるようになると自信を得るでしょう。少数派はトランプが再選されれば、深刻な影響を受けると思います」 ■中絶問題に言及避けるトランプ氏に 保守派は「非常に腹を立てています」 一方で、選挙戦が終盤にさしかかり、トランプ氏が中絶問題に直接言及することを避ける様子もみられる。 そのトランプ氏を厳しい目で見つめているのが、キリスト教保守派「福音派」の信者たちだ。 村瀬キャスター 「テネシー州は“バイブルベルト”と呼ばれていて、とても敬虔なクリスチャンが多い地域、つまり共和党の牙城になっている地域です」 屋根にアメリカ国旗が描かれた愛国者教会。この日は日曜日で礼拝が始まろうとしていた。星条旗の横にはイスラエル国旗が飾られ、イスラエルへの支持を打ち出している。 ケン・ピータース牧師(52) 「先週、カマラ・ハリスの集会には10人の中絶支持者がきました。中絶がいかに素晴らしいか話したのです。10人ですよ。そこにはクリスチャンの歌手、ビヨンセもいました」 信者 「トランプです、絶対に」 「トランプに投票します」 ――トランプ氏はキリスト教の価値観を体現している? 信者 「彼の政策はそうです。異論があることもわかっています。彼は意見の対立を招きやすいですから」 「トランプは前政権の時にアメリカにビジネスを取り戻しました」