米金利オプション市場が弱気トーン、米国債利回り急上昇を警戒
(ブルームバーグ): 金利オプション市場で弱気なトーンが定着しつつある。向こう数週間に米国債利回りが再び急上昇する可能性を債券トレーダーが見据えていることがうかがえる。
米10年国債プットオプション2025年1月限(12月27日満期)を用いた弱気ヘッジは、安定した需要がある。トランプ次期米大統領の就任式が行われる週に当たる1月24日満期の2月限も、ここ数日間にポジションが積み上がってきた。
未決済建玉は、プットオプション1月限および2月限で権利行使価格107.50-109.50を中心に構築されてきた。これら水準は現在約4.3%にある10年債利回りについて、約4.45-4.75%をターゲットにしている。このレンジ上限は4月に記録した24年のピーク(約4.74%)を上回る水準だ。
26日にはさらに弱気なポジションが取引され、4.9%をターゲットにしたオプションが250万ドル(約3億8300万円)のプレミアムで取引された。指標の利回りがこの高水準を最後に付けたのは1年余り前だ。
米大統領選後の利回り上昇はかなり解消されたものの、「トランプトレード」が再び勢いづく可能性が十分意識されていることが透けて見える。数カ月間にわたるトランプトレードの想定は、高関税などトランプ氏の政策がインフレを加速させ、利回りを押し上げるという内容だった。
トランプ氏が米国の貿易相手国に追加関税を課す方針を示したことから、26日の米国債相場は小幅下落。米10年債利回りは幾分上昇した。
第2次トランプ政権発足を控え、今後予定されるいくつかのイベントが、これらオプション動向の鍵を握る見通し。また来週発表される11月の雇用統計では雇用者数は前月を大きく上回ると予想されている。
12月18日には連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表がある。景気が底堅い兆しが見られる中で、0.25ポイント追加利下げと据え置きの確率をトレーダーはほぼ同等とみている。