【高校ラグビー】京都工学院戦へ国学院栃木・神尾樹凛(きりん)「夢を壊す勢いで」救世主になる
<全国高校ラグビー大会:国学院栃木59-3明和県央>◇2回戦◇30日◇大阪・花園ラグビー場 シード校・国学院栃木は、快勝し元日を花園で過ごす。司令塔SOで日本代表候補の神尾樹凛(かみお・きりん)は、1トライ7ゴールで初戦突破に貢献。次戦、4度全国制覇の名門・伏見工の流れをくむノーシードの京都工学院戦へ「自分たちが、夢を壊す勢いで」と相手ファンの歓声もイメージし、チーム・コクトチで臨む。 「樹凛」の名は、五月人形の商品名にも用いられ、優れた子どもを意味する「麒麟児(きりんじ)」から。麒麟(きりん)は中国神話に登場し、よき知らせの前に訪れる空想の生き物で「人を助ける子に」との願いも込められた。幼少期は、車のボンネットを渡り歩くほどわんぱくで、習い事の候補に野球やサッカーが挙がるも、あまりの元気さに「格闘技に近いよね」と家族のすすめで5歳で始めたのがラグビーだった。 前半20分、2人がパスしたボールをしっかり受け止めると、身長173センチ80キロの神尾は麒麟(きりん)のように抜け出してトライ。「意識したのは、フォワードとバックスの連係プレー。フォワードからパスを受けてバックスが追い抜くことを意識した」。 前半はチームで45点をマーク。後半は反則が重なり、大量の追加点がとれなかった。「相手もイケイケモードで、のまれてしまった」。後半戦の反省を、次戦の糧に-。「京都工学院さんは、元々伏見工業で(観客席は)伏見ファンも多いと思うので、のまれずに、落ち着いてプレーできるようにしたい」。 すでに相手校の予習は中学時代にした。埼玉・深谷市の岡部中ラグビー部時代、仲間と部室で伏見工をモデルにしたドラマ「スクール☆ウォーズ」を見た。救世主になる心の準備は、できている。「自分たちが、倒すって。その夢をぶっ壊す勢いで倒していきます(笑い)」。前回大会は果たせなかった元日の白星。司令塔・神尾は、思いを寄せる人たちへ、麒麟(きりん)のように喜びの瞬間も届ける。【中島麗】