〈2025年戦力比較〉今年は阪神が独走? 巨人やDeNAには「解消できない不安要素」が【セ・リーグ編】
■ヤクルト躍進のカギは塩見の復活 2年連続5位に低迷し、巻き返しを狙うヤクルト。一番の課題は先発陣の深刻なコマ不足だった。新外国人投手として元ロッキーズのピーター・ランバート、元マーリンズのマイク・バウマンを獲得。ドラフト1位で愛知工業大の即戦力右腕・中村優斗の一本釣りに成功したが、いずれも未知数な部分もあり、投手のやりくりには苦労が続きそうだ。 打線では茂木栄五郎を楽天からFAで獲得したのが大きい。内野はどこでも守れる茂木だが、近年精彩を欠く山田哲人の状態が上がらないようだと二塁のスタメンで起用される可能性もある。塩見泰隆の復活もカギを握るだろう。故障に泣かされて23年は51試合、昨年は31試合出場に終わったが、リードオフマンとして稼働すれば、後ろに村上宗隆、ホセ・オスナ、ドミンゴ・サンタナが控えるだけに、得点力が一気に上がる。 球団史上初の3年連続最下位に低迷した中日は、井上一樹新監督が就任。絶対的守護神だったマルティネスが同一リーグの巨人に移籍。ドラフトで関西大の金丸夢斗、西濃運輸の吉田聖弥と即戦力左腕コンビの指名に成功し、新外国人の助っ人補強もしたが、来季の優勝は現実的な目標ではないだろう。投打で大きな伸びしろを秘めた選手が多く、2、3年後が楽しみだ。今年はCS進出を目標とし、優勝を狙えるチーム作りを目指す。 「春季キャンプを経て野球評論家の順位予想が出てきますが、3強3弱が現実的な構図だと思います。巨人、阪神、DeNAの3強がどのような戦いを見せるか。広島は下馬評が高いと言えませんが、そういう時に強さを発揮する。混戦に持ち込めばチャンスが出てくるでしょう」(前出のスポーツ紙デスク) 新監督がどのようにチームを進化させるかにも注目したい。藤川監督、井上監督のベンチワーク次第では、大きな戦力変動があるかもしれない。 (今川秀悟)
今川秀悟