〈2025年戦力比較〉今年は阪神が独走? 巨人やDeNAには「解消できない不安要素」が【セ・リーグ編】
■「巨人にそこまで怖さはない」 セ・リーグ他球団の首脳陣も「独走する可能性があるとしたら阪神」と最も警戒する。 「阪神の投打がかみ合えばなかなか勝てない。脂が乗り切った選手が多いし、戦力で言えば他球団より抜けています。巨人は菅野が抜けて先発陣がそこまで強固に感じない。打線も5番に入るだろうキャベッジは未知数です。活躍できなければ、打線は4番の岡本頼みの状況が変わらない。手強い相手であることは変わらないですけど、そこまで怖さはないですね」 昨年日本一に輝いたDeNAはどうか。レギュラーシーズンは広島の大失速に助けられる形で、わずか貯金2の3位でCS圏内に滑り込んだが、短期決戦で阪神、巨人を撃破。日本シリーズでもソフトバンクを4勝2敗で下し、下克上を果たした。 今オフはソフトバンクとの間でトレードを成立させ、投手の濱口遥大を放出して、野手の三森大貴を獲得。マルティネスの争奪戦に参戦したが、獲得は叶わなかった。FA権を行使するか注目された佐野恵太が残留し、牧秀悟、タイラー・オースティン、宮崎敏郎、筒香嘉智と強打者が並ぶ打線は破壊力抜群だ。得点力はリーグ屈指だけに、投手陣をサポートする戦いができるかどうか。 DeNAを長年取材するテレビ関係者は、「日本一になりましたが、長丁場のペナントレースでは巨人と阪神のほうが上だと思います。先発、救援陣を見ても投手力に差があります。ただ昨年のCS、日本シリーズでは攻守で野球の精度が上がり、野球の質が変わったように感じました。勢いに乗ったら強いけど、負けると歯止めがきかなかったチーム体質を変えることができれば、面白い勝負ができると思います」と話す。 昨年は8月まで首位に立ちながら、9月以降に大失速で4位に転落した広島。今オフ、21年に最多勝のタイトルを取った九里亜蓮がオリックスにFA移籍したが、国内ではドラフトや現役ドラフト以外に新戦力の獲得はなし。補強はもっぱら助っ人外国人選手で、投手ではホワイトソックス傘下の3Aで活躍した右腕のジョハン・ドミンゲス。課題の貧打解消に向けては、元ロッキーズのエレフリス・モンテロ、元レンジャーズのサンドロ・ファビアンの右打者2人を獲得した。 「阪神と違い、外国人選手の活躍がチームの命運を握るのが広島です。昨年も助っ人外国人が1人でも稼働すれば、シーズン最終盤まで優勝争いを繰り広げていた可能性があった。昨季は故障に泣かされた和製大砲の末包昇大と共に、モンテロとファビアンがポイントゲッターとして機能するか。チャンスメークする選手はそろっているので、V奪回はその点に尽きると思います」(スポーツ紙デスク)