なぜ井上尚弥は9.3有明V2戦の相手に海外でマッチメイク批判のあるドヘニーを選択したのか…WBAベルト剥奪問題の解決で4団体王座の最長防衛記録を狙う?!
ネリ戦の際には「モチベーションが高くてやる必要がなかった」というジム内での3日間の集中合宿を18日から行うことになった。 「そういった面でスイッチを入れる」目的があるという。 またスーパーバンタム級に留まる中で新たな戦う理由も生まれている。WBAが、突然、アフマダリエフとの指名試合を9月25日を期限に行うことを指令してきて、剥奪、あるいは、返上の可能性のあったWBAのベルトを維持できることになったのだ。 「WBAの剥奪はない。防衛戦をやるなら4本を持って入場した方が気持ちいい」 本来、スーパー王者の指名試合期限は、18か月で、あってないようなもの。大橋会長の説明によるとスーパー王者には、もっと細かい制約があるそうだが、クレームをつけてベルト保持で決着したようだ。 井上は取り囲むメディアにこんな依頼をした。 「4つのベルトを長く保持した時期を調べて下さい」 「記録を狙うの?」という質問には、笑みを浮かべ「狙ってはいない」と返したが、まんざらでもない様子だった。 実は4団体統一王者には、4つの団体からの指名試合が複雑に絡んでくるため、井上を除く過去7人の4団体王者の戦績を振り返ってみても、防衛戦が行われたケースは、それほど多くなく、在位も短い。井上より、数か月前に史上初の2階級4団体統一を成し遂げたテレンス・クロフォード(米国)も一度もウエルター級の4つのベルトを防衛しないまま、IBF王座を剥奪され、スーパーウェルター級に転級することになった。 4団体の最多防衛は、現スーパーミドル級の4団体統一王者であるサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)の4度で、在位も2021年11月から現在も保持しており、カネロが最長となっている。クロフォードが挑む計画があるそうだが、スーパーミドル級には、めぼしいライバルはみつからず、カネロの天下は当分続くと見られている。 井上は12月にも試合を予定しているが、それでV3、来年も3試合ペースで戦うなら、V6まで記録は伸びるが、同時にカネロも防衛記録を伸ばすため、カネロ超えは少し難しいかもしれない。しかし、モンスターが世界のボクシング史に名を残す、もはや伝説的な存在であることに疑いはない。 すでにメキシコ人パートナーが2人来日してスパーリングを開始。大橋会長によると、28日には、さらに4人のパートナーが来日予定だという。
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