主力連戦起用の京都が天皇杯4強入り! リード後も容赦なくエース格投入「CLに出ている選手から笑われるくらいの間隔」
[9.18 天皇杯準々決勝 千葉 0-3 京都 フクアリ] ミッドウィークの連戦でもJ1リーグ戦の主力選手を積極的に起用した京都サンガF.C.が、直近のJ2リーグ戦から先発を総入れ替えしたジェフユナイテッド千葉を3-0の大差で破り、2年ぶりの天皇杯準決勝進出を決めた。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 この日の京都はJ1リーグ戦主力のGKク・ソンユン、DF福田心之助、DF宮本優太、MF川崎颯太、FWマルコ・トゥーリオを先発起用。リードした後半からもエース格のFW原大智やFWラファエル・エリアス、MF平戸太貴、MF福岡慎平、MF佐藤響といった主力をピッチに送り込み、J1昇格争いのためサブメンバー主体で臨んだ千葉とのモチベーションの違いを鮮明に示していた。 試合後、記者会見に出席したチョウ・キジェ監督は前節・横浜FM(◯2-1)から中4日、次節のG大阪戦まで中3日あることに触れながら「連戦といえどもヨーロッパのチャンピオンズリーグに出ている選手からしたら笑われるくらいの間隔。連戦という形ではなかった」と口にし、「もちろん3試合連続でやる選手も出てくるが、いまの自分たちの一番いいメンバーを出したつもり」と主力起用に至った決断を明かした。 また指揮官は続けて「連戦だから違うことをするとか、連戦だから相手を見て変えるとか、省エネでやるというのは僕の中には全くその概念がない」と断言。「中2日だろうが、中3日だろうがその時の全力を出していくというのがプロサッカー選手としてチームとして大事。そこでやり切れない、やろうとしないということを封印してやってくれた」と選手たちを称えつつ、「この勝ち点3がガンバ戦の勝ち点3を約束するものではない。連戦ということではなく次のガンバ戦もみんなでまとまってやりたい」と次戦への意気込みを口にした。 今季の京都はシーズン序盤の19試合は3勝5分11敗の成績で折り返したが、以降の10試合で7勝2分1敗と驚異的な快進撃を展開中。順位も降格圏と勝ち点6差の15位にまで浮上し、その好調を天皇杯でも維持した形となった。 2年前の準決勝進出時はJ1昇格プレーオフでJ2代表を破ってのJ1残留だったこともあり、「残留争いでそれどころじゃなかった」(FW豊川雄太)という中での勝ち上がりだったが、今回はタイトルを狙える状況での4強入り。指揮官は当時との違いを振り返りつつ、今のチーム状況を次のように熱弁した。 「準々決勝からVARも入って勝ち抜ければファイナルが見えるということで、2年前も我々は準決勝に行ったが、選手たちがその時以上に逞しくなっていくムードがあったので、今日はなんとしてもこのメンバーで勝ち抜けして、準決勝に進みたい気持ちがあった。しっかり勝ち切って次に進めることを嬉しく思う」 「自分たちはまだJ1リーグ戦でも中位から下位で、残留もまだ全然決まっていないし、ACLとか優勝争いをできる位置にはいない。だからこそこういう勝ち方をしてもマスコミの皆さんや周りから『勢いがある』とか『いま乗っている』とかそういう形容詞で片付けられるが、個人的には悔しいと思っている」 「代表選手がこの前の試合(W杯最終予選)ですごくいい試合をしたが、一番のトップレベルの選手があれだけサッカーに向き合ってやっていることに対して、我々国内でやっているJリーグの選手が彼ら以上にサッカーに向き合わないといつまで経っても追いつけないし、追い抜けない」 「自分たちが見せているサッカーはJ1でも非常に尖ったもので、尖ったものしかないじゃないかとも言われるが、自分たちでそれをマイナスに捉えず、その尖ったものを磨き続けることによって尖らなかったものがさらに尖ってくる。そういうことを狙いながらJ2からやってきたことがやっと今年のこの時期になって形になってきたなと思う」 そんな確かな手応えを得ながらたどり着いた天皇杯4強だった。 もっとも、長いシーズンは2か月半が残っており、残留争いもここからが本番。天皇杯準決勝は10月27日に組まれており、まずはJ1リーグ戦に集中していく構えだ。 「今日の勝利をしっかりと今は喜んで、すぐに切り替えたい。ガンバ戦は今季最後のナイターのホームゲームで、たくさんのお客さんに来てもらえるということを会社とも話しているし、たくさんのお客さんの前でダービーにしっかり勝って、京都の皆さんに夢を与えられる瞬間を作りたい」。上位勢との対戦が軒並み続くシーズン終盤戦に向け、気を引き締め直していた。