“独自目線”で勝負する店も“採算”は…『街の本屋』20年で半減 経産省が支援へ
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年々減り続けている、本屋さん。町に1つも本屋さんがない地域も出てきています。そんななか、対策に乗り出したのが経産省です。どんな手があるのでしょうか。 ■“書店危機”で経産省が支援へ 全国で書店が次々に姿を消していき、今や書店が1つもない市区町村“無書店自治体”は全国で26.2%に上っています。 17日、経済産業省主導の書店経営者へのヒアリングが開かれました。齋藤経産大臣肝いりでプロジェクトチームを作り、書店を残していく支援を検討しています。 齋藤健経済産業大臣 「書店というのは、日本の重要なコンテンツ産業の一翼をになっていると思う。経済産業省がしっかりと見ていく」 現場での課題や工夫を把握し、他の書店と共有していきたいとしています。 ■全国から“視察”本屋のワケ そんななか、全国から客が集まる、ある書店があります。大阪市にある正和堂書店。一見普通の町の本屋さんですが、その取り組みには他県の書店も見学に来るといいます。どんなものかというと、レジの横に並んでいるのは、オリジナルのブックカバー。カバーとしおりを組み合わせることでアイスキャンディーに変身します。 福岡から訪れた人 「インスタでブックカバーを見て、かわいいなと思って来ました。手に取って読む楽しみが増えると思うのでいいかなと」 デザインは、創業者の孫で美大出身である、小西康裕さんによるものです。 正和堂書店 小西康裕さん 「本を知ってもらうきっかけを色々な形で提供していかないといけないのかなと」 ■アメリカで店舗数拡大 復活した書店も ネット通販、電子書籍の本場アメリカも状況は同じです。しかし近年、店舗を増やしている書店があります。 力石大輔記者 「アメリカで今、店舗数を増やしているのがバーンズ・アンド・ノーブルです。こちらの店は去年10月、アマゾンのショップに取って変わる形で新しく生まれました」 10年以上にわたって店舗数を縮小し続けていました。ですが今年は50店舗オープンする予定だということです。 高校生 「以前は最近の本しか買わなかったけど、今の店では面白い書評の本も買っています」 2019年以来、個々の店舗に自主性を与える方針に変更。これが功を奏したとみられています。 ■日本でも“独自路線”で勝負も… 売れ筋だけに頼らない、書店員の目線を重視する。そんな書店は個人書店を中心に日本でも増えています。 『本のお店スタントン』店主 田中利裕さん 「できるだけ表紙を見せておくことで、大型書店では埋もれてしまう本が、うちでは一番目立っているような感じになっているので」 他にも絵本の原画展などのイベントを行い、地域のファンを増やす努力をしているといいます。しかし…。 『本のお店スタントン』店主 田中利裕さん 「ほんと自転車操業ですね。独立系書店は、それ(イベント)でしのぎを削っているような感じ。ある種の競争ではないが、違う何かができればと模索している」
テレビ朝日