「日本よりも価値を理解してくれる」元トヨタ営業マンのだるま職人が、海外に出た理由
米最大手からの引き合い、仲間と乗り越えた大量注文
だるまの起源は、禅宗の仏僧に由来する。2010年以降の世界的禅ブームや日系コンテンツの人気が高まるにつれ、だるまの世界的認知度も広がり、20ヵ国以上から注文が来るようになった。 ジェトロ群馬のアドバイスで、今井自身がだるまについて英語で解説する動画を作ってプレゼンするようにしたところ、商談から契約に至る割合は8割を超えた。 「自分の製品の魅力を自分で伝える」大切さに気付き、オンライン英会話で英語力を鍛えた。気付けば、PRだけでなく店舗への訪問客にも英語で対応できるレベルになっていた。 手応えを感じはじめた2022年。世界中のブランド品やデザイナーズ製品を一般消費者向けに販売する北米最大手企業・TJXカンパニーズ社から「日本を代表する伝統工芸品として、うちで取り扱わせてほしい」と注文が入った。 数は1000個以上、大型コンテナ1台分。同社規定に沿うよう、商品に関する大量の書類作成とレギュレーション対応が条件だった。
Kozumo Nagahashi