前代未聞の”紳士協定違反”を犯した福岡のクルークスは謝罪もルキアンは審判団批判…当事者2人がSNSで異なる意見を表明し再び物議?!
ルキアンが非難した名古屋の先制点は、開始わずか2分に生まれた。 名古屋のロングボールに対して、ペナルティーエリアの外で待ち構えていた福岡のGK永石拓海(26)と懸命に背走してきたDF宮大樹(26)が、激しく激突してともにその場に倒れ込んだ。しかし、中村太主審(43)がプレーを流した展開で名古屋がこぼれ球を拾い、最後はMF森下龍矢(25)がキーパーのいない福岡ゴールを陥れた。 プレーが途切れた状況を受けて中村主審は試合を止め、脳震とうを起こしていた永石はGK村上昌謙(30)と交代した。中断させるなら激突直後だとルキアンは異を唱え、ならば自分たちも、という思いに駆られたとインスタグラムで明かした。 しかし、開始早々のアクシデントは味方同士によるものであり、厳しい言い方をすれば永石と宮の連携ミスとなる。これでは試合を中断できないし、永石と宮の状態を懸念して中断させるにしても、激突した直後は判断が難しかったはずだ。 Jリーグの公式サイトによれば、長谷部監督は試合後の公式会見で「言葉が合っているかどうかわかりませんが」と前置きした上で、1-1の同点に追いつくまでのルキアンとクルークスのプレーに対して次のように言及している。 「仕返しじゃないですけど、自分たちだって同じではないかという思いが出てしまったのかもしれません。でも、それは違うということで、修正するには(ゴールを相手に)渡すしかない。それを選手たちにも理解してもらい、過ちを修正したつもりです」 福岡の同点ゴールはサッカー界における暗黙の了解を覆すものだったが、ルールそのものには違反していない。ゆえに主審も取り消せないし、福岡の選手たちが訴えていた、スローインの場面からやり直す措置も受け入れられない。 名古屋側の興奮が収まらない状況で、両チームの指揮官はピッチ上で話し合いの場を持った。そこで長谷部監督は「得点を献上します」と長谷川監督に伝えたという。名古屋ボールで再開された24分。福岡が守備を放棄する異例の展開で、ゆっくりとドリブルで進んだFW永井謙佑(33)が勝ち越しゴールを流し込んだ。 長谷部監督はこのときも自軍のゴールへ向けて右手を大きく、何度も振っている。名古屋にゴールさせろというゼスチャーを、クルークスは両手を横に広げてベンチへ異議を唱えながら、ルキアンはぼう然とした表情を浮かべながら見つめていた。