ACLよりJ残留?イニエスタ、大迫を温存で逆転負けしたヴィッセル神戸の吉田采配は正しかったのか?
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区の準々決勝2試合が22日に埼玉スタジアムで行われ、ヴィッセル神戸が延長戦の末に全北現代(韓国)に1-3で逆転負けを喫した。横浜F・マリノスを破った18日のラウンド16から先発を7人も入れ替え、さらにMFアンドレス・イニエスタ(38)、FW大迫勇也(32)がベンチ外となった陣容にツイッター上では「イニエスタ」がトレンド入りするなど、吉田孝行監督(45)のさい配に懐疑的な視線が向けられている。
「今日はスタメンを入れ替えた方がいいんじゃないかと自分で判断」
祈るような声が埼玉スタジアムのピッチを見下ろす5階のスタンドから上がった。神戸が1点をリードされたまま、延長戦の後半が終わろうとしていた瞬間だった。 「黛也、決めたれ!」 声の発信源はベンチ外となった神戸の選手たち。後半16分に先制するも直後にミスから追いつかれ、延長前半13分に勝ち越されていた展開で獲得した左コーナーキック。攻撃参加してきたキーパーの前川黛也(27)に奇跡の同点ゴールが託された。 しかし、MF汰木康也(27)が蹴ったコーナーは相手キーパーにパンチングされ、さらにMF山口蛍(31)がこぼれ球を奪われてしまう。すかさず発動されたカウンターから最後は無人のゴールへボールを流し込まれ、ダメ押しの3点目を献上した直後に、神戸にとって2度目のACLの終戦を告げる主審のホイッスルが鳴り響いた。 無情な結末に声を失い、スタンドから足早に引きあげていった神戸の選手たちのなかにイニエスタが、そして大迫が含まれていた。マリノス戦をイニエスタはリザーブのままで終え、先発した大迫は後半15分までプレーしていた。 前日練習に姿を現さなかった攻撃の二枚看板をベンチ入りメンバーから外し、さらにマリノスを3-2で撃破した18日のラウンド16から先発メンバーを7人も入れ替えた吉田監督のさい配には、キックオフ前から懐疑的な視線が向けられた。 たとえばツイッター上では「イニエスタ」がトレンド入りした。グループリーグを含めて、今シーズンのACLで一度もピッチに立たなかったイニエスタを含めて、全北現代戦に臨んだ先発メンバーの意図を吉田監督はこう説明している。 「(マリノス戦から)中3日で迎えた過密日程で、勝っても中2日で準決勝がある。ましてや今日のキックオフが夏の暑さのなかでの16時ということ、そして3試合すべてで勝つことを前提に考えると、今日はスタメンを入れ替えた方がいいんじゃないかと自分が判断した。アンドレス(イニエスタ)の件についても足の状況を見て判断した」 マリノス戦で先発した大迫を欠いたフォワード陣では、延長戦に入って特に疲労が色濃くなったステファン・ムゴシャ(30)が120分間フル出場した。武藤嘉紀(30)の投入を後半29分まで我慢した点を含めて、吉田監督は窮状を訴えている。 「フォワードで万全な選手は、いまのウチにはいない。武藤も怪我から復帰したばかりなので、ムゴシャにはターゲットマンとして頑張ってもらおうと思っていた」