歌手・森山良子「どんどん最強の私に近づいていく感じ」 NYでジャズ武者修行「最高のレッスン」 来年1月、大江千里とジャズライブ
自由に歌うことに羨望 フォークの女王に抵抗 アルバムの1曲目から「私は、もりやまぁ~りょ~お~こ!」ときたものだから度肝を抜かれてしまう。だが、これぞ、まさに自由自在なジャズの面白さだ。 【写真】撮影でハートマークを作るなどノリノリに楽しむ森山良子と大江千里 ジャズピアニストの大江千里のプロデュースで生まれた新アルバム「Life Is Beautiful」(ソニー)の「MORIYAMA」。曲名で分かるように、自己紹介ソングだが、デビューから55年以上たって〝あらためまして〟といった感じだ。 「そう、今までなかった感じですよね。まさにせんちゃん(大江千里)らしい曲なのかな」 そのせんちゃんについて聞くと、「すべてのキャリアを捨ててアメリカに渡って、その勇気や潔さ、自分の夢をかなえようとする強さに感動したんです。私なんか、20歳のころからジャズを勉強しにアメリカに行きたいって思っていたのに、恋愛したり、結婚したり、子供産んだり。結局、そんなことを言い訳にして、機会を逸してしまったから」と切り出した。 「後になれば、そんなのほっておいて行けばよかったのに…なんて思うけど。ちょっと言い訳がましくなるけれど、私の中ではやっぱり行けない理由が多くて。だからせんちゃんには畏敬の念といいますか、すごいなって思うんです」 自由な姿への羨望。そこには、デビュー時から〝フォークの女王〟といわれてきた自身への思いが重なってくる。 「大学時代から先輩や友人に勧められてフォークを歌っていたけど、プロになるならジャズシンガーに転向しようと思っていたんです。でもフォークへの私のニーズがあまりにも高くて、それを覆すのは難しすぎて。〝フォークの女王〟とは言ってほしくないっていう抵抗感でいっぱいでしたね。とはいえ、そういう時代だったし、私自身そうじゃないって思いながらも受け入れざるを得なかったし、それが恵まれた環境だってことは分かっていますけどね」 NYジャズ武者修行 最高の歌唱レッスン 大江との交流を深めていく中で、大江から「ジャズアルバムを一緒に作りませんか」とうれしいオファーを受けた。そして、アメリカでジャズを学ぶことを提案された。