「え?これ雨水で作ったビールなの?」試飲会の参加者が驚いた都会の雨水で作ったビールの意外な「お味」
特性タンブラーのロゴは不思議な形をしている。「雨みず AMAMIZ」という文字を囲む「まんじゅう」のような楕円はいったいなんだろう。 デザイナーの竹内公啓さんによると、降ってくる雨粒を表現しているという。雨粒というと、下が球形で上がとがっている「しずく」のような形をイメージしている人が多いかもしれない。 しかし、小さな雨粒は表面張力によって球体に近いかたちをしている。そして、小さな雨粒がくっついて大きな雨粒になると、落下する速度も速くなり、受ける空気の抵抗も大きくなる。すると底が平らになって「まんじゅう」のようなかたちになるのだとか。その雨粒が私たちの口に入ると”RAIN TASTES SO GOOD”と感じる。
■さまざまなドリンクを開発していきたい 雨水ビールにはさまざまな可能性があり、「雨水ドリンクプロジェクト」は、今後の展開を模索している。また、雨水の価値を世の中に知らせるために、さまざまなドリンクを開発していきたいという夢もある。 日本各地の雨でつくられたクラフトビールの飲み比べができるようになると楽しいし、ビール以外の子ども向けの飲みものもつくってみたいという。 思えば、東京は水源のほとんどを150キロも離れた上流のダムに頼っている。しかし、水源は頭上にあったのだ! 東京に降る1年間の雨の量は、東京の1年間の水道使用量を上回っている。雨の地産地消が広がれば、まちは潤い、洪水からも守られる。今後もプロジェクトから目が離せない。
橋本 淳司 :水ジャーナリスト