カリフォルニアワインの新世代!キアラ・モンダヴィが造る“洗練の白”「センティアム ソーヴィニヨン・ブラン」
そして出合ったのがメンドシーノ郡でオーガニックでのブドウ栽培を行う農家だった。畑はレッドウッド・ヴァレーという冷涼な土地にあり、海からの冷たい風が流れ込むことで、フレッシュでバランスの取れた酸をもつブドウが育まれるという。このブドウとの出合いが「センティアム」の誕生に繋がった。ちなみに、ファーストヴィンテージは2021年。今年お目見えした2022年ヴィンテージは2度目のリリースとなり、日本初登場だ。香りはライムなどの柑橘と、スズランやサンザシなど白い花の繊細な香り。酸味は生き生きとしてクール、豊かな果実味が特徴で、スタイリッシュな味わいだ。醸造は小さなステンレスタンクと500リットルのオーク樽、そしてコンクリートタンクで果汁を3分の1ずつ発酵、ブレンドするという手法を用いている。これにより、テクスチャーがシルキーになり、より複雑な味わいが生み出せるという。彼女の言葉通り、「センティアム ソーヴィニヨン・ブラン 2022」は滑らかな口当たりで、奥行きが感じられる。 「今、『センティアム』は姉と兄、従兄弟とともに、父の助言を受けつつ。ファミリーで造っています。最近になって気づいたのは、『コンティニュアム・エステート』の白ワインはどんなものであるべきかという方向性。それはかつて祖父が目指した辛口の“フュメ・ブラン”をさらにエレガントに進化させたものです。ワイン造りをしていると、祖父や父が方向性を示してくれていることを感じますね」。 最後に、彼女にこんな質問をしてみた。「あなたがお父様に似ているところは?」。すると、少し考えてから、満面の笑顔を見せた。 「ちょっと頑固なところ、でしょうか。何ごとにも妥協するのが苦手で。それから、ハードワークを厭わないところ。ワイン造りに向いていると思いたいです(笑)」。 世代を超えて、ファミリーに脈々と流れる精神。モンダヴィファミリーの“天才たる所以”を彼女の中に垣間見た気がした。 問合せ先 WINE TO STYLE TEL: 03-5413-8831 【写真】メンドシーノ郡にある畑では、オーガニックでブドウが育てられている。冷涼な気候で、ブドウは酸味を保ったまま、ゆっくりと完熟する。どこかクールさを感じさせるのも特徴だ BY KIMIKO ANZAI