【高校サッカー全力新聞】選手権に帰ってきた“青の強豪”千葉・市立船橋
12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会。強豪ひしめく千葉県からは、市立船橋が全国大会へ進出しました。全国の初戦は12月29日の1回戦、山口代表・高川学園と対戦します。 【画像】千葉・市立船橋 帰ってきた“青の強豪” 雪辱果たし3大会ぶり全国へ
■市立船橋の神曲・市船ソウル
市立船橋はスポーツの強豪校として知られていますが、文化部も盛んです。その一つが吹奏楽部。全日本マーチングコンテスト銀賞、千葉県吹奏楽コンクールでは金賞を獲得するなどの強豪校です。その吹奏楽部で生まれたのが神曲として知られる「市船ソウル」。作曲者は二十歳の若さでこの世を去った吹奏楽部OBの浅野大義さんでした。 この“イチフナ”ソウルが流れると雰囲気が一変するそうです。2023年7月、夏の高校野球千葉大会。4回戦で流経大柏と対戦した市立船橋野球部。序盤から9点差をつけられるものの、市船ソウルが流れるとじわじわと追い上げが始まります。4回に5点を返すと、9回についに勝ち越し。10-9と大逆転勝利を収めました。 この現象は高校サッカーでも…。11月11日の県大会決勝前半、吹奏楽部による市船ソウルの演奏が始まると、その42秒後でした。ロングスローからのこぼれ球を2年生のFW久保原心優選手が押し込み3-0。勝利を手繰り寄せる3点目が生まれたのです。フィールドに立つ選手たちを鼓舞する神曲。吹奏楽部の部長・鈴木若葉さんは「1番大切にしている曲で、選手たちを後押ししていきたい」と話しています。
■帰ってきた“青の強豪”
決勝でハットトリックの活躍をした3年生10番・郡司璃来選手。U-18日本代表で清水エスパルスへの加入が内定している絶対的エースです。そんな郡司選手も全国選手権は初出場。7人きょうだいの末っ子で、兄の篤也さんも市船の10番を背負っていました。その兄については「中学生のころお兄ちゃんが活躍しているのを見ていたので、自分はそれ以上に活躍してやろうという気持ちです」と語る郡司選手。「毎試合点を決めて、チームを日本一にしたいと思います。得点王も狙っていきたいです」と自信を口にします。 そして、精度の高い左足のフリーキックを武器とするMFのキャプテン・太田隼剛選手。伝統の青のユニフォームについて「ここ数年、このユニフォームにふさわしくない結果が続いてしまっているので、ここでまた名門と呼ばれるように、自分たちの代で今後の市船のためにも絶対に優勝しないといけないと思っています」と目標を語りました。 強力な個が噛み合い、選手権に帰ってきた高校サッカーの名門“イチフナ”。国立競技場で神曲「市船ソウル」が熱く響き“青の強豪”復活となるか。市立船橋に注目です。 (取材・文:高校サッカー選手権民放43社/千葉テレビ放送)