韓国下回る日本の『稼ぐ力』労働生産性の低さが課題 経済復活のカギは?
■「無駄な作業が多い」労働生産性の低さも課題
日本の1人当たりの名目GDPが低い理由に、日本の労働生産性の低さもあると言われています。 日本人労働者1人当たりの労働生産性は、1年間で、約877万円。 これは、OECD加盟国38カ国中32位と、1970年以降、最も低くなっています。 各国の労働生産性です。 ●アメリカは、約1608万円 ●ドイツは、約1306万円 ●韓国は、約931万円 日本は韓国と比べても、54万円少ない計算になります。 日本は、なぜ労働生産性が低いのでしょうか? 熊野さんです。 「日本では、無駄な作業が多いので、他の国と比べて効率が悪い。短時間で多くの成果を上げるのが、今の日本企業に求められている」 実際に働く現場の声です。 30代の会社員の方です。 部長・課長20人ぐらい集まる報告だけの会議に2時間出席しなければいけないということです。 「報告だけならメールで良い。わざわざ対面にする必要がないのでは」
■日本経済復活のカギ握る「AI化」「機械化」
では、どのように労働生産性を上げれば良いのでしょうか。 AI導入で効率アップした企業があります。 冷凍餃子を生産販売している、イートアンドホールディングスは、これまで冷凍餃子の検品を1つ1つ人の手で行っていて、人手不足になりました。 そこで、AIカメラなどを導入し、製造ラインで、不良品を探知できるようになりました。 その結果、冷凍餃子の生産速度が2倍になり、人員は3割削減出来たということです。 ただ、日本の中小企業のAI導入率は低いです。 中小企業360万社のうち、AI導入済みは、わずか3%です。 なぜAIを導入しないのでしょうか。 「経営層にAIの理解がない」 「AIを開発・運用する資金や人材、データが社内にない」 という理由です。 韓国では、日常生活でもAI活用への取り組みが進んでいます。 2024年4月、韓国では『AI戦略最高位協議会』が発足し、国民がAIの恩恵を実感できるように、約800億円を投入します。 教育の現場でも、2025年度からAIデジタル教科書を導入します。 生徒の学習状況などをAIが診断、分析し、生徒の理解度に合わせて、問題の難度を変化できるということです。 AIを導入しないとどうなるのでしょうか。 熊野さんによると、 「高齢化による少ない労働力を生かすために、AI化して技能労働を機械化することに必死にならないと、日本は世界からさらに遅れる事態になる」ということです。 (「羽鳥慎一モーニングショー」2025年1月6日放送分より)
テレビ朝日