5年ぶり大型IPO、日立が源流「半導体ニッチトップ」の強み
金井 史幸(かない・ふみゆき)/1956年生まれ。1981年日立製作所入社。ルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)那珂事業所ウエハプロセス技術統括部を経て、2009年日立国際電気入社。2011年富山工場長、2018年6月から代表取締役社長(撮影:梅谷秀司)
日立製作所(6501)の子会社・日立国際電気からのスピンオフによって2018年に誕生したKOKUSAI ELECTRIC(6525)は、半導体の製造行程で欠かせない「成膜」の装置に特化した専業メーカーだ。半導体の基板となるシリコンウェハー上に回路を描くとき、まずは回路の素材となる層を作る必要がある。成膜とはその層を作り上げるプロセスのことで、KOKUSAIは、数十枚以上のウェハーをまとめて成膜できる「バッチ式」の成膜装置に強みを持つ。中でもALD(原子層堆積法)という方式での世界シェアは約70%を誇る。同社は日立国際電気からスピンオフした際にアメリカの投資ファンド・KKRの傘下入り。2021年にはアメリカの半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズと進めていた経営統合が失敗に終わるなど紆余曲折があった末、今年10月に東証プライム市場に上場した。初値で換算した時価総額は約4800億円で、国内では2018年のソフトバンク(約7兆円)以来の大型IPOとなったが、半導体市況は低迷しているさなか。どのような成長戦略を描いているのか、金井史幸社長に直撃した。
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石阪 友貴