アプリを消してスーパーに走れ! 今スペインでバズっている「新しい出会い方」とは?
<出会うための暗号は?>
この動画が流行すると、どこからともなく「出会うための暗号」が決められ、各SNSでそれが拡散されるようになりました。メルカドーナでパートナーを見つけるためには、ただ足を運ぶだけではダメ。出会いを探しているということを回りにアピールしなければいけません。 そこで暗号として使われるのがパイナップルです。「パイナップルをショッピングカートの中に逆さまに入れ、ワインが売っている通路に行く」というのが出会うためのルール。さらに気に入った相手を見つけたらショッピングカート同士をぶつけるというのがサインとなります。 <出会いを求め?メルカドーナに殺到> この動画がトレンドになってすぐに、様々なSNSで「本当にメルカドーナで出会えるのか試してみた」という手の動画を見る様になりました。そこまでは良かったものの、最近になって各地のメルカドーナに未成年の子供たちが面白半分で押し寄せるようになってしまったのです。 なかには収集がつかなくなり警察を呼ぶ程の騒動になってしまったメルカドーナも。またとある動画では出会いのために店内のコンセントを使って髪の毛にアイロンをかける少女たちの姿も収められています。 他の動画ではメルカドーナのパイナップル売り場の前に警備員が設置され、子供たちが面白がってパイナップルを持ち出さない様に見張っている様子が紹介されていました。スペインの学校は9月の初旬まで夏休み。どうやらバケーションから帰ってきた子供たちが学校が始まるまでの間の暇を持て余し、おもしろ半分で近所のメルカドーナに押し寄せているようです。 <元ネタは?> ビビーさんが紹介したことでバズったこの都市伝説、元ネタは一体何だったのでしょうか。 遡ること7年。2017年にスペインで人気を誇る「ファーストデート」と呼ばれるテレビ番組の中でこの話題が出たことがこの都市伝説の始まりです。ファーストデートでは様々な背景を持った一般人2人がレストランに見立てたスタジオで食事をしながらおしゃべりを交わすのですが、この番組である回に登場した一人の女性がこう言いました。「私はよくメルカドーナに出会いを探しに行くの。ビールとポテチをカートに入れてる人は独身って分かるでしょ」「独身の人が買い物に来る時間があるの、それは19時から20時!」。7年前に番組の一部で発せられたこの発言が今になって若者を中心に話題になっているのです。 「独身の人が買い物をしがちな時間にスーパーマーケットに行き、カートに入っているもので独身かを判断して声をかける」という方法は確かに出会いとしてはありのような気がしますが、出会いを探していることをアピールしなくてはいけないのはちょっと日本人にとってはハードルが高いかもしれませんね。
松尾彩香(スペイン在住ブロガー)