【プリンス関東1部】「逆境に強く、逆境を楽しめる」浦和ユースが無敗の東京Vユースを完封!最終節で横浜FMユースと大一番
11月23日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東1部第17節5試合が行われた。午後1時キックオフ。埼玉スタジアム第3グラウンドで浦和レッドダイヤモンズユース(以下・浦和ユース)と東京ヴェルディユース(以下・東京Vユース)が対戦。 【フォトギャラリー】 浦和レッドダイヤモンズユース vs 東京ヴェルディユース 後半27分、浦和ユースはDF24田中一信(2年)のパスを受けたFW4 白井桜介(2年)がゴール中央から決め、先制。これが決勝点となり浦和ユースが1‐0で勝利し、リーグ無敗の東京Vユースに初黒星をつけた。 「前半から狙っていました」と話したFW4白井は「(DF24田中)一信から良いボールが来るのはわかっていたので信じて入りました」と値千金のゴールを振り返った。 おおむね試合は一進一退に進むなか、浦和ユースは前線のFW39山根且稔(2年)を起点にサイド攻撃を展開。守備ではスローガンである即時奪還が奏功した。前半11分、MF14井上大輝(3年)が、同18分、DF15薄井翼(2年)がビッグチャンスを見せ、さらに前半終了間際にはCKから波状攻撃を見せたが、東京VユースGK1 佐藤翼(3年)のセーブに阻まれた。それでも好機の回数は浦和ユースが上回った。 勝因について、キャプテンマークを巻いたMF22松坂芽生(3年)は「普段、取り組んでいる強度、球際、切り替えが出せました。前半、強度で相手を上回っていたので、(相手は)焦っていたかもしれません。自分たちの土俵に持ち込めました」と説明すれば、同じく平川忠亮監督は「東京Vユースの良さは切り替えの速さ。攻撃では個人技やさまざまなパターンがありますし、質も高い。ただ、それだけでなく、そのあとのプレー、取られたあとの切り替えが速く、奪って二次攻撃ができるチーム。この切り替えでこちらが上回ることができました」と攻守の切り替えで凌駕できたことを挙げた。 とはいえ、うまくて強い、東京Vユースによく勝てたと言わざるを得ない。浦和ユースはプレッシャーのなか、この一戦に臨んだ。 プリンスリーグ関東1部から上位3チームが挑めるプレミアリーグプレーオフ。前節終了時点で浦和ユースは勝点「31」の3位。ついで勝点2差の4位に矢板中央が追走していた。 迎えた今節、キックオフ2時間前の午前11時。矢板中央と桐生第一が対戦。2-1で勝利した矢板中央が勝点1差で3位に躍り出た。浦和としては得失点差を踏まえ、最悪、引き分けの選択肢はあったが、より勝利が求められる状況となった。 試合前、矢板中央勝利の一報はイレブンに伝えられたのか。答えは「否」だった。 「結果はわかりませんでした。前日のミーティングで情報を入れるかどうか、チームで話しあいましたが(情報は)入れずに試合に集中することを考えました」(MF22松坂) 「矢板中央の結果は入れませんでした。選手のあいだでは『自分たち次第』と話し合っていたので」(平川監督) ゲームに集中する環境を作ったといえる。 そして台所事情も。来シーズン、トップチーム昇格が内定しているエースFW9照内利和(3年)、そして主将であり守備の要のDF28阿部慎太朗(3年)、この2人が累積警告のため、出場停止。苦しいメンバー構成にあった。 それでも勝てたのは多くの選手を起用しながら、何度も乗り切れた自信があるからこそ。 平川監督は「なにより総合力。このメンバーで勝ちきれたことが大きいです。この大事な試合で(主力選手が)不在でしたが、選手たちは毎回、こうした苦しい状況を乗り越えました。逆境に強く、逆境を楽しめるメンバーです」と目を細めた。 勝ちながら、時に負けながら、ひとつひとつ歩んだ、その跡が感じられる浦和ユース。次節、勝てばプレーオフ出場権を手にするが、矢板中央とは勝点「2」差。油断はならない。 「状況は変わらないので。次が大事ですね」(FW4白井) 「次、負けたら、意味がないので勝てるように、1週間、練習を積んで、いきたいです」(MF22 松坂) 12月1日の最終節、3位の浦和ユース(勝点34)は2位の横浜F・マリノスユース(勝点36)とアウェイで対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)