ドイツ妥結賃金、今年は実質3.2%上昇へ-10年ぶりの伸び
(ブルームバーグ): ドイツの実質賃金は今年、10年以上ぶりの速いペースで上昇する見通しであることが調査で明らかになった。
ハンス・ベックラー財団経済社会研究所(WSI)は6日、ドイツの妥結賃金は今年、前年比名目で5.5%上昇するとの見通しを発表した。実質ベースでは3.2%の上昇となるという。
同研究所のトルステン・シュルテン研究員は、「今年の実質賃金の強い上昇により、過去3年間で購買力が低下した分の約半分を補えることになる」と述べた。
欧州中央銀行(ECB)は、持続的に2%のインフレ目標を達成し、さらなる利下げを行うための前提条件として、高止まりしている賃金上昇率が緩和するかどうかを注視している。同時に、消費と低迷する経済を支えるには健全な賃金上昇が不可欠だ。このため、ドイツやユーロ圏全体の給与動向が注目される。
7-9月期(第3四半期)には、ドイツの妥結賃金は前年同期比で8.8%上昇し、1993年以来最も大幅な上げとなったが、このペースは続かなさそうだ。金属産業労組(IGメタル)の製造業部門に関する主要な合意によると、今後2年間の賃金上昇はすでに比較的緩やかなものに抑えられている。
原題:German Wage Gains at Decade High Give Some Hope for Economy(抜粋)
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Mark Schroers