TOEIC800点以上で海外出張はビジネスクラス、育休取ったら同僚に月2万円支給“KADOKAWA式”社員のやる気を出す方法を夏野社長に聞く
日本の少子高齢化が進み、企業の採用は完全な売り手市場に。各社があの手この手で魅力をアピールし、入社後の社員育成にも力を注いでいる。出版や動画事業を手掛けるKADOKAWAでは、夏野剛社長自ら社員から直接相談や要望を聞き、働きたくなる環境づくりに取り組んでいる。オンラインミーティングには3年間で社員1000人以上が参加し、そこから生まれた様々な意見を実際に取り入れ、働く環境の改善に役立てている。『ABEMA Prime』ではコメンテーターとしても出演する夏野氏に、柔軟な制度で社員の努力を引き出そうとするKADOKAWAの取り組みについて聞いた。 【映像】KADOKAWAのモチベーションアップ策あれこれ
■KADOKAWAの新入社員は全員希望部署に配属
メディア事業を数多く手掛けるKADOKAWAだが、最も大切にしているのは「適材適所」だ。まず、新入社員は全員「希望する部署に配属」される。また、入社後の異動に関しても「フリーエージェント型異動制度」を設けているという。夏野氏は「例えば編集者が映画を作りたいと言ったら、映画の部署と面接をして合格すれば、既存部署の上長に反対する権利はない。全体の異動の7割がこれだ」。希望する部署に入る、というのはジョブ型採用が基本の外資系企業では当たり前だが「外資系と日本の会社の違いは、クビにできないこと。だからこういう制度を作らないと、ベストマッチングができない」と述べる。 まずはやる気を持つことが大切だ、というのが夏野氏の考えだ。「自分が一番やりたい、向いていると思うことをやってもらうしかない。数字が好きで経理がいい人もいれば、バックエンドが好きだったり、営業が好きな人もいる。何年かに1回調査をするが、競争が好きな人もいれば、みんなと協調するのが好きな人、お金が好きな人、クリエイティビティが好きな人などそれぞれだ。独立性が好きだったり、命令されてきちっとやるのが好きだったりといった違いもある」。大企業になるほど、多様な社員の希望があり、それを可能な限り把握し、マッチングさせることで社員満足度を高めるように努めている。