アーセナルに“ハイバリー”のスピリッツは蘇るか【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
ロングフィード2本ほどの近距離にあっても別世界だ
企業向けの高額席を用意するなど売上増を実現しながら熱気を失ってしまったエミレーツ。ハイバリーを懐かしむファンは少なくない。(C) Getty Images
アーセナルのエメリ監督が解任された。ヴェンゲル後の新時代を託されながら、わずか18か月で終焉を迎えたその理由は何だったのか。短命に終わった政権を改めて振り返りながら、ケイ記者が指摘した致命的な問題とは――。(文:オリバー・ケイ/訳:井川洋一 2020年1月4日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イングランド』を転載) ―――◆―――◆――― ハイバリーが好きだった。2006年に93年間の歴史に幕を閉じた、アーセナルの旧ホームスタジアムだ。 ロンドン中心部から地下鉄ピカデリー線を北上すると、アーセナル駅に到着する。階段を上がって地上に出る。そこに、ハイバリーはあった。 16歳のある日、ロンドンで2~3時間の暇ができた私は、ハイバリーに足を向けた。イーストスタンドの入口へ向かい、かの有名な「マーブル・ホール」を覗く。もちろん中には入れな
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