ギュイヨン騎手はシンエンペラーを警戒しつつもソジーでの凱旋門賞制覇に自信をのぞかせた

【シャンティイ（フランス）3日＝増本隆一朗】シンエンペラーの強力なライバルとなるソジー（牡3）に騎乗するマキシム・ギュイヨン騎手（35）＝フランス＝を直撃。フランスリーディングを3度獲得した名手は日本馬を警戒しつつも、12度目の凱旋門賞騎乗で初制覇に自信をのぞかせた。この日、凱旋門賞の枠順抽選会が行われた。 ◇ 柔和な笑みからは確かな自信が感じられた。日本馬シンエンペラーの前に立ちふさがるのは、海外ブックメーカーで2番人気タイに推されているソジーだ。デビュー6戦すべてで手綱を取っているギュイヨン騎手に手応えを聞いた。 「今年は混戦で誰が勝つか分からないレースだと思う。今のところ一番強いと断言できる馬はいないからね。でも、ソジーはすごく乗りやすい馬。最初にゴールできればいいね」 ソジーは2走前のパリ大賞でGⅠ初制覇。仏ダービー（3着）で敗れたルックドゥヴェガに雪辱を果たし、勢いに乗っている。前走のニエル賞も好位から力強く抜け出して快勝し、凱旋門賞と同舞台のパリロンシャン芝2400メートルでは、2戦2勝と舞台適性はピカイチだ。「この距離を走るようになってからどんどん良くなった。このコースが好きなんだろうね」と分析する。 2010年11月のWSJS（JRAの国際騎手招待競走）に出場して日本で初騎乗。翌日のジャパンCでヴィクトワールピサ（3着）に騎乗するなど、日本競馬にも明るい鞍上は、シンエンペラーについても言及。「愛チャンピオンS（3着）の走りがとてもいい内容だった。血統的にもヨーロッパは向いているし、チャンスはあると思う」。20年に凱旋門賞を勝ったソットサスの全弟だけに警戒を強めている。 フランスリーディングを2019、22、23年と3度獲得して、脂が乗っている35歳。「ソジーはすごく頭が良くて、柔らかい走りをするところがセールスポイント。外でも、内でも、前でも、後ろでも競馬ができる。多頭数の競馬になるけど、自在性があるから問題ないよ」と自信満々だ。 ソジーを管理するフランスのA・ファーブル調教師は、歴代最多の凱旋門賞8勝を挙げるトップトレーナー。仕上げにも全幅の信頼を寄せており、「今年の最初からこのレースを目標にして馬を作っているからね。勝ち方を分かっていると思う」と締めくくった。