なぜ、ロータスを選びたいのか? 俳優・溝端淳平の次期愛車を考える
人生を彩る存在
最後に、ちょっと古いクルマの世界も知りたいというリクエストに応えた用意したのが、ロータス「エスプリ」。 ロータスの創始者であり天才エンジニアのコーリン・チャップマンと、自動車デザインの巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロの邂逅から生まれたミドシップのスポーツカーだ。1976年のデビュー以来、進化を続けながら2004年まで生産された。 空力性能を追求した特徴的なウェッジシェイプを見ながら、溝端さんは「クルマには見えないですね……」と、感嘆した。 「ずっと見ていたらようやくクルマに見えてきましたけれど、どっちが前なのかわからないぐらいすごい形です。このクルマが入って来た瞬間、撮影場所が映画のセットみたいになりましたから、すごい存在感です。若い頃って、食事に行く店は、新しくてきれいなところがいいと思うじゃないですか? でも30代半ばになって、港町の年季が入った店のよさがわかるようになりました。クルマもおなじで、この年になったから、時間の経過によって生まれる味わいを理解できるんだと思います。それにしてもこの形が路上を走るってすごいなぁ……」 というわけで、駆け足ではあるけれど、電動ハイパーSUV、本格派のスポーツカー、ちょっと古いクルマと、3台のロータスを見ていただいた。 「改めて、クルマっておもしろいし、奥が深いと思いました。快適で実用的なことも大事だけれど、それだけじゃなくて人生を彩る存在だし、興奮する対象ですよね。あと、2台持てるとクルマ趣味は広がるということもわかりました。ファミリーカー的なのがあれば、もう1台はスポーツカーでもクラシックカーでもいい。だからもっと仕事を頑張ろう、というのが今日の結論です(笑)」 ロータス・エスプリを撮影場所に乗ってきたオーナーは、たまたま、溝端さんと同年代だった。維持費やメインテナンスについて、溝端さんがオーナーの方を質問攻めにして、会話が盛り上がっている。クルマは生きがいにもなるし、頑張って働く目的にもなるし、コミュニケーションのツールにもなるのだ。
【プロフィール】溝端淳平(みぞばたじゅんぺい)
1989年6月14日生まれ、和歌山県出身。「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で歴代受賞者の中で最多となる40社の芸能事務所からスカウトを受け話題に。デビュー後はドラマ・映画・舞台と多くの作品に出演している。近年では、NHK大河ドラマ『どうする家康』(2023年)、テレビ朝日系『何曜日に生まれたの』(2023年)、『恋する警護24時』(2024年)に出演。現在公演中の舞台シスカンパニー公演『カラカラ天気と五人の紳士』に出演中。 文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・Ryo スタイリング・黒田領 編集・稲垣邦康(GQ)