日本・カタール「関係修復」のカギを握るLNG権力構造
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「率直に言って、カタールがこの(日本という)草分け的な市場の主要なエネルギー供給者でなくなった今、日本が主催するLNGに関する会議で私が講演するのは、ちょっと違和感があります」 カタールのサアド・アル=カアビー・エネルギー担当国務大臣からこのような発言が飛び出したのは、2022年9月29日にオンラインで開催された第11回「LNG産消会議」の開会セッションでのことだった。同会議は日本がLNGの生産国と消費国との対話・協調を促進すべく2012年から主催しているもので、日本の経済産業大臣の開会挨拶の次にカタールのエネルギー大臣がスピーチするのが恒例だった。 ところが昨年は、西村康稔経産大臣が開会挨拶を終えると、この10年間の二国間の交誼などなかったかのような辛辣な物言いが冒頭から飛び出したのである。
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村上拓哉