厳密すぎる「オフサイド判定」と、勝点1プラスでも「すんなりと優勝が決まらない」Jリーグ【Jリーグ優勝争いを左右「柏VS神戸戦」のVARは正しかったのか】(3)
すっかりサッカーの一部となった、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)。だが、そのテクノロジーを十分に有効活用できているかどうかは疑わしい、と言うのは、サッカージャーナリストの後藤健生。その問題点について、Jリーグの優勝争いの一戦を使って検証を試みる! ■【画像】80億円の豪邸購入も…「落ちぶれ方まじで悲しい」ブラジル代表ネイマール32歳、美人モデル元カノとの熱烈キス公開「スアレスは大人に…」
■なぜオフサイドだけ「厳密」なのか
では、武藤嘉紀の同点ゴールの場面はどうなのか。 オフサイド・ラインぎりぎりの攻防であり、また、オフサイド・ポジションにいた選手がプレーに関与したか否かという難しい判断を迫られたことは事実だ。だが、それにしても約4分というのは明らかに長すぎるのではないだろうか。 もう一つの論点としては、ピッチ上の審判団が下した「オフサイド」という判定が「はっきりとした、明白な間違い」だったかどうかという点だ。 もしそれが「はっきりとした、明白な」事象だったとしたら、判定を下すまでに4分もかかるわけはない。「はっきりしない」、「明白ではない」からこそ、判定に時間がかかるのではないか。 だが、オフサイド判定に限っては、明白ではない場面でも長時間かけて厳密な判定を下すための努力がなされるというのが、現行のVAR制度なのだ。なぜ、ここだけ「禁欲的」ではないのだろうか?
■引く作業に時間がかかる「3Dライン」
オフサイド判定に時間がかかるひとつの理由として、3Dラインのことがよく言われる。 映像を基に攻撃側の足先や手先を地上に投影させた赤いラインが引かれ、守備側プレーヤーの足先、手先には青いラインが引かれて、それでオフサイドか否かを判断するのだが、そのラインを引く作業に時間がかかるというのだ。 だが、そんなラインを引かなくては判断できないというのは、つまり、それが「はっきりした、明白な」プレーではないということを意味する。 VARに、そんなことまでを求める必要はあるのだろうか? オフサイド判定の専門家である副審(AVAR)がスロー映像や静止画を肉眼で見て判断できないような状況なら、それは「はっきりとした、明白な」オフサイドではないのだから「同一線上」(つまりオンサイド)と見なしたり、ピッチ上の審判団の判定を優先させたりしてもいいのではないか。 VARというシステムは、ある意味ではとても禁欲的なのに、オフサイドに関してだけ、極端に100%を追求することになっている。そのちぐはぐさが、僕にはおかしいと思えるのである。
【関連記事】
- ■1本目はコチラ 柏の5試合連続を生んだ「17分間」の追加タイム、神戸を救った「4分間」のオンリー・レビュー【Jリーグ優勝争いを左右「柏VS神戸戦」のVARは正しかったのか】(1)
- ■【画像】大迫のPK失敗で万事休すと思いきや…後半AT10分、武藤が同点弾「超マッチョ裸体で吠えた!」柏vs神戸PHOTOギャラリー
- ■2本目はコチラ 当然だった「ジエゴ退場」、難しかった「武藤ゴール」、審判団が見逃した「事象」への介入【Jリーグ優勝争いを左右「柏VS神戸戦」のVARは正しかったのか】(2)
- ■【画像】「TDLだったら大変」長谷川唯ら世界ベスト11候補2人と離脱中の清水梨紗ら最強なでしこ4人組が“耳カチューシャ”姿「まさにパリピ」「みんな可愛い」パリ満喫ショット
- ■【画像】糸リフト告白の美人すぎるW杯サポーター、「ばか高かった!」レアル・マドリード限定コラボT着用の“本業”に「似合ってます」「戯れてる感じ」の声