《長野県議・妻殺害事件》不倫がバレても「後ろめたくない」借金8000万円の“珍証言続出”元県議に求刑20年が突きつけられた
希美さんの友人はこう語る。 「希美から不倫のことを聞いたことはありませんでしたが、酒造をなんとかしよう、家族のために頑張ろうと常に腐心している様子でした。もともと、彼女は夫を立てて後ろから付いていくタイプ。夫の悪口は聞いたことがなく、我慢強く頑張っていたところにこうした事件が起きた。まだ判決は出ていませんが、希美の気持ちを思うとやりきれないです……」 丸山被告は女性トラブルについてこんな風に答えている。 ――不倫を周りに知られれば、議員としての立場に影響を与えるとは思っていましたか? 「国会議員でもない限り、全国的なスクープになるわけではないですし。そんなことにはなるまいと思っていました」 ――バレたらバレたで、議員を辞めることにはならないだろうと考えていた? 「バレるっていうのもレベルにもよりますが、そんな大騒ぎにはならないだろうと思っていました」 ――2人で会っているときに、見られないようにしようと気をつけることは? 「知り合いに会うのは困るくらいには思っていましたけど、そんなには気をつかってはいないです。ただ、女性に相手ができてからは、女性のほうが見られないように気をつかうようになったと思います」 ――ホテルに行ったりするのは、人目につかないためか? 「人目につかないという理由もあります」 ――希美さんと離婚することが、議員の立場に影響すると考えたことはありますか 「思っていません。離婚はあまり考えたことがないので」
「特に問題にならなければ、いいかなと思いましたね」
検察側は、希美さんの両親との関係についても追及した。 ――平成28年に女性との(不倫)関係がバレて(希美さんの)お父さんと話したことがあった 「はい」 ――そのときに、女性と別れる気がないのに、お父さんに「別れる」と嘘をついた? 「はい」 ――その前の年には、選挙でお父さんがお金の工面をしていたり、いろいろお世話になっていたわけですよね? 「はい」 ――そんなお父さんに嘘をつくことに関して、どういう気持ちでしたか? 「まぁ、特に問題にならなければ、いいかなと思いましたね」 ――問題にならなければいいというのは? 「希美との関係がそのまま上手くいっていれば、問題にならないかなと」 ――じゃあ、お父さんに悪いという気持ちはその時はなかったんですね 「悪いというのは……」 ――後ろめたい気持ちはありましたか? 「お父さんに対しては特にないです」 かように丸山被告は高を括ったような証言に終始したのだった。 総勢21人の証人尋問を実施し、検察側は被告が犯行現場に行ったという状況証拠を積み上げてきた。しかし、具体的な殺害方法は解明されておらず、決定的な証拠もない。衝撃的な「現職議員逮捕」の事件は、どのような結末を迎えるのか。 注目の判決は12月23日午後1時半に言い渡される。
「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル