楽天の強さを表現すると『不思議なチーム』となる。西川の加入で守備力が上がったが打線に左打者ばかりが気になる【岡田彰布のそらそうよ】
あらためてパ・リーグの投手の力強さにびっくり
日本ハムから西川[右]の加入は大きかったけど、このチームの特徴は「不思議」。いつのまにか勝っていることやね。それが強いチームの証しでもある[写真=松村真行]
新型コロナ禍の入場規制が緩和され、球場には多くのファンが戻ってきてくれた。われわれ解説者も現場での仕事が増え、うれしい限り。必然、球場に足を運ぶ機会が多くなっている。 プロ野球は交流戦が終盤に入った。そこで感じるのが現状の「投高打低」の世界。とにかく今シーズン、投手力のすごさが際立っている。特に普段はあまり見ないパ・リーグの投手のスピード感には圧倒される。聞き慣れない名前の若手投手が、バンバン150キロのスピードボールを投げ込む。昔にはない光景の連続なんよね。 オレは思った。このスピードアップはまさしくトレーニング効果ではないのか、と。技術向上の練習とは別に、昨今は筋力アップ、体幹強化のトレーニングの必要性が重視されている。昔はそこまではなかった。これによって投手の能力は格段に上がった。顕著な例は球速に表現されている。いまや150キロオーバーのストレートは常識。トレーニングがいかに大切かを、目の前にしているわけよ。 ただスピードで補えないのがコントロールである。制球力はやっぱり投げ込んで、投げ込んで身につけるもの。この2つの条件を備えれば、ホンマ、勝つ投手の誕生となる。 そんなことを漠然と考えながら、交流戦を放送席から見守る。先の甲子園で行われた阪神対楽天戦も現地でしっかりとチェックした。「タイミングがよかったです。今週号が楽天特集なので……」と担当のS君から連絡が入った。 実はオレ、パ・リーグの中で楽天のゲームをよく見ているのよ。少し縁があって・・・
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週刊ベースボール