性加害事件が続発中。在沖米兵の"南下"で沖縄住民に広がる不安とは?
実際、こうした米兵の南下の影響とみられる事件も発生している。 米兵による性暴力事件の続発が問題になっているさなかの7月4日、那覇市内で22歳の海兵隊員が面識のない20代の女性の胸を触ったとして、沖縄県迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されたのだ。 「逮捕された海兵隊員が所属していたのは、浦添市にある米軍基地『キャンプ・キンザー』。現場は飲み屋が多く入居する市内のビルで、海兵隊員は当時、かなり酔っ払っていた様子だったようです。この日は米国の独立記念日で、休日に羽目を外して飲み歩いたあげくの犯行だったとみられています」(地元メディア関係者) ただ、こうして明るみに出た事件以外でも、被害者のプライバシー保護や心身のケアが求められる事件の性質上、表沙汰にならない米兵絡みの性犯罪は少なくないとされる。 「米兵の中には、アジア人女性に強い偏見を持つ者もいる。なおかつ彼らは、現行犯逮捕以外では原則、日本側が身柄を拘束できないと規定されている日米地位協定により〝特権的地位〟が与えられていることを自覚している。米兵の行動範囲が広がったことで、日本人女性を狙う悪質な米兵による性犯罪のリスクも上がったとみていいでしょう」(同前) 沖縄県民には「台湾有事」よりも、もっと身近に「有事」があるのかもしれない。 文/安藤海南男 写真/photo-ac.com 内閣広報室