『silent』手掛けた敏腕P「企画書は見た目が9割」 わかりやすくできないなら企画自体を捨てよう
ドラマ『silent』『14才の母』『BOSS』『SUMMER NUDE』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『信長協奏曲』、映画『帝一の國』『約束のネバーランド』『キャラクター』など、数々のヒット作を生み出してきたプロデューサー・村瀬健氏。企画のプロともいえる彼が語るのは、「企画書は見た瞬間に面白いと思わせることが大事」という、目からうろこの内容。『silent』の企画書が掲載されていることでも話題の初著書『巻き込む力がヒットを作る “想い”で動かす仕事術』から、一部抜粋・再編集してお届けします。 【写真で見る】『silent』の企画書の様子
■企画書が果たすべき2つの使命 自分の“想い”を2つの角度で見せる。 端的に言うと、企画書は「僕はこれをやりたい」というものをまとめた文書です。そして当然のことながら、企画書は様々な人の目に触れるわけですが、「僕はこれをやりたい」という自分の“想い”を一本調子で語るのではなく、2つの角度から見せる必要があると思って書いています。 その一つ目は、脚本家、監督、出演者、といった自分の仲間になる人たち、つまり同じ船に乗ってもらう人たちに「一緒にやろうぜ、この船に乗ろうぜ」という自分の気持ちを見せるという角度。逆に言うと、仲間たちに「これなら一緒にやりたい」と思ってもらえるような見せ方です。
もう一つは、サラリーマンである僕が、上司や編成など決定権を持つ会社の人たちにアピールするという角度。「この企画、面白そうでしょ。これにベット(確信をもって信じる)しませんか?」という見せ方になります。つまり、「これ、当たりそうでしょ? 当たりますよ、絶対!」というやつです。正直なところ、本当に当たるかどうかなんて分かりません。 それが分かるなら、僕はきっと、ディズニーランドならぬ「村瀬ランド」を作れているはずです。でも、「当たるかも」と思わせることはできます。「これは絶対に当たります!」を、自分なりの根拠と共に語り、決定権を持つ人に「確かにこれは当たりそうだな」と思わせる。そのための書き方、見せ方を僕はいつも意識しています。