車いすボディビルの世界大会で日本代表37歳が金メダル獲得 「障がいがある方がジムに通うハードルを下げたい
12月17日(火)~19日(木)の3日間で東京・有明コロシアムにて開催されている『IFBB男子ワールドカップ』。最終日の最初の金メダルは車いすボディビルの湯浅剛(ゆあさ・つよし/37)選手。 【写真】湯浅剛選手のバキバキ腹筋
湯浅選手は高校時代にはプロのスカウトが視察に訪れるほどの野球の腕前だったが、大学4年のときにスキーで障がいを負ったことで車椅子の生活となった。 スキーで障がいを負ったもののチェアスキーをするほど、スポーツを生活から切り離さなかった湯浅選手。そのあとは車いすバスケットボールの選手として活躍。30歳以下の日本代表として北九州チャンピオンズカップに出場して優勝するなどの実績を重ねた。 当時から愛読書は『月刊ボディビルディング』だった湯浅選手はボディビル競技を開始。今夏の「第1回日本社会人車いすボディビルOPEN大会」にて初代王者となり、日本代表の座を掴んだ。 今大会は残念ながら日本代表2名だけの出場ではあったが、最終日初金メダルの栄冠に湯浅選手が輝いた。 「感無量です。ボディビルとの両立においてバスケットボールのチームには少なからず迷惑をかけたので、結果を出したかったので、金メダルが取れてうれしかったです」 車いすボディビルとは、下肢に障害があり車椅子を使用している全てのトレーニング愛好者が参加できる競技で、1分以内のフリーポーズも含むボディビルの規定ポーズで審査される競技だ。 審査基準は下肢を除く各部位の筋肉がバランス良く十分に発達していることで、皮下脂肪が適度に除去されかつ健康的であることが求められる。 「車いすボディビルの普及も目指していきたいですが、まずは車いすの人たちがジムに通うというハードルを少しでも下げるために私の活動を通して発信していきたいです。筋トレをすることで筋肉がついて、減量をすることで身体が軽くなります。生活が楽になるんです。これからもバスケットボールと両立しながら頑張っていきたいです」
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中原義史