新NISA「成長投資枠」での個別株の選び方…高配当銘柄として押さえておきたい、5種類の日本株とは?【FPが助言】
新NISAで初めて個別株投資にチャレンジするという方も多いのではないでしょうか。ここでは、成長投資枠における個別株の選び方と、実際に投資する際の注意点を見ていきます。本連載は、経済ジャーナリストでありFP資格を持つ酒井富士子氏の著書『マンガと図解でよくわかる新NISA&iDeCo&ふるさと納税[増補改訂2版]』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
成長投資枠…個別株は何を基準に選ぶべき?
◆戦略を決めてから銘柄探しを 成長投資枠で株式投資をする場合、大きく分けて2つの戦略があります。1つ目が「値上がりを狙う」、2つ目が「高配当を狙う」です。 1つ目は、今後の成長が期待される企業の銘柄や、企業の本来の価値よりも割安な価格で取引されている銘柄を狙って投資する戦略です。予想通りに株価が上がった時点で売却することで、値上がり益を非課税で得ることができます。ただし、1年間で何度も売買を繰り返せない点には注意が必要。こちらは次項で説明します。 2つ目は、配当の高い銘柄に投資する戦略。企業の多くは利益の一部を配当という形で株主へ還元しています。株価に対する年間配当の割合を「配当利回り」と呼び、配当利回りが3%以上となる銘柄が一般的に「高配当銘柄」とみなされます。配当は年2回実施されることが多く、NISAではこの配当を非課税で受け取れます。大きな値上がり益を得る可能性は低いものの、年に2回確実にリターンを得られる点が大きなメリットです。 下記に、高配当銘柄を5つ紹介しています。日本たばこ産業やLIXILは4~5%の配当利回りを記録している人気の高配当銘柄です。また、配当は企業の業績によって増減しますが、花王は33期、KDDIは21期連続で配当を増やしています。増配は企業の業績が堅調である証でもあり、投資家が安心して投資できる判断要素の1つとなります。 ◆高配当銘柄として押さえておきたい日本株 花王(証券コード:4452/東証プライム) 株価/最低投資金額:6000円/60万円 日用品、生活用品化粧品などのメーカーで馴染みのある企業。2022年度には、33期連続増配を達成。配当利回りは3%前後あり、高配当銘柄の選択肢の1つ。年間2回配当がある。 KDDI(証券コード:9433/東証プライム) 株価/最低投資金額:4904円/49万400円 2003年3月期以降21期連続増配。年間配当額は約45.0倍に成長している。配当利回りも3%と比較的高め。今後は大きく化けるという銘柄ではないものの、比較的安定しているといえる。 日本たばこ産業(証券コード:2914/東証プライム) 株価/最低投資金額:3827円/38万2700円 たばこのイメージがあるが、食品や医薬品も取り扱う企業で、ここ数年は業績も株価も伸びている傾向に。配当利回りが異例の5%と高く注目したい銘柄。 LIXIL(リクシル)(証券コード:5938/東証プライム) 株価/最低投資金額:1853円/18万5300円 住宅設備機器の最大手メーカー。最低投資額20万円以下で買いやすい価格も◎。省エネ基準取り扱い住宅の製品など、国の省エネリフォーム施策にも関連しているため今後も成長が期待できる。 村田製作所(証券コード:6981/東証プライム) 株価/最低投資金額:2972円/29万7200円 電子部品メーカー。海外売り上げが中心を占める企業。近年は、業績が低迷していたが、これからは、増益が見込める可能性が高い銘柄。半導体など今後も伸びる可能性がある。 ※2024年2月上旬時点
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