今季限りで第一線を退く上田桃子「寂しさはある」予選落ちで最後の真剣勝負を終える
<国内女子ゴルフツアー:大王製紙エリエール・レディース>◇第2日◇15日◇愛媛県エリエールGC松山(6575ヤード、パー71)◇賞金総額1億円(優勝1800万円) 最後まで、全力を尽くした。今季限りで第一線を退く上田桃子(38=ZOZO)は4バーディー、3ボギーの70で回り、通算4オーバーの88位で予選落ちが決まった。今週8位以上が最低条件だった次週の最終戦のメジャー、JLPGAツアー選手権リコー杯(21日開幕、宮崎)出場権獲得はならず、今大会が事実上の最終戦となった。通算12勝の山下美夢有が首位タイから8バーディー、2ボギーで連日の65をマークし通算12アンダー、130で単独トップに立った。 ◇ ◇ ◇ 人気と実力を備え、ツアーを引っ張ってきた上田が最後の真剣勝負を終えた。最終戦の出場資格には届かず、38歳のベテランは「ゴルフは自分を映す鏡。精いっぱいやったからしょうがない」と現実を受け入れた。 初日に大きく出遅れ、「最後の1日か。出し切るぞ」と覚悟して臨んだ。17番(パー5)では「最後くらい、攻めのゴルフを見せたい」とピンを狙い、イーグルこそ逃したもののバーディー。予選通過が絶望的な状況でも声援を送り続けたギャラリーを喜ばせた。 終盤は先に競技を終えた多くの選手に見守られ、クラブハウスへ引き揚げるとツアー仲間に囲まれ惜別のセレモニー。涙する後輩も多く「自分はお手本になるような選手ではないと思っていた。少しは頑張ってきたというところだけは見てくれていたのかな」と感無量の表情だった。 2007年に21歳の若さで賞金女王に輝いた。思い切りの良いスイング、感情を隠さないスタイルでファンを呼び、米ツアー会員としての1勝を含め国内17勝。「気合とか根性とか、私はそれで戦ってきた」という20年に自ら幕を引く。「毎日、休んでいる時もゴルフのことを考えてきた。それがないんだなという寂しさはある」としみじみ振り返った。 ○…山下美夢有が2日連続の65で単独首位に立った。伸ばし合いの混戦から抜けだし「ショットが安定していた。ミスもあったので修正して明日いいラウンドをできたら」と貪欲に語った。 かつての賞金女王、上田がツアーの第一線を去る。昨季まで2年連続で年間女王に輝いた山下は「上田さんみたいな選手になりたいとの気持ちが強かった。もっともっといいゴルフをして、いい報告をできるように」と気持ちを新たにしていた。