熱さで服が溶ける?!燃え盛る大松明を担いでダッシュ!700年続く津島神社の「開扉祭」
愛知県津島市にある津島神社で約700年続く「開扉祭(かいひさい)」、通称「おみと」。巨大な大松明(おおたいまつ)を担ぐ男たちは熱さと重さに耐えますが、祭りに対するアツい気持ちも秘めていました。今年4年ぶりに通常開催されたこの祭りを、タレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が取材しました。 【動画】燃える大松明を担いで走る「開扉祭」の目玉! 楼門通過の瞬間はこちら【7分36秒~】
熱い!重い!長さ10メートルの燃える大松明を担ぐ「開扉祭」
「開扉祭」について調べるため、津島神社の境内に入ると紙垂(しで)がついた巨大な物体を発見。宮司に尋ねてみると…。 (津島神社 宮司・堀田正裕さん) 「大松明。直径が1メートル、長さが10メートル」 祭りのシンボルともいえる2本の大松明。コロナ禍の3年間は長さ7メートルでしたが、今年は4年ぶりに10メートルに。「開扉祭」は、燃えている大松明を担いで神社の中を練り歩き、その火で災いを払うという祭りです。 神社の鳥居を出発した2本の大松明が拝殿の前に整列すると、2本の間を神職さんが通り抜け、本殿で神事が行われます。本殿の扉を開けて神様にお供え物をすることから、「開扉祭」の名がついたと言われています。 (津島神社宮司・堀田正裕さん) 「『おみと』っていうのは、御御扉で"おみと"」 大松明の材料は、「葭(よし)」と呼ばれるイネ科の植物。2本作るには、約12万本の葭が必要です。そのため、神社の近くには祭りで使う葭専用の田んぼがあり、栽培から松明の完成まで1年かかります。
何があっても大松明は落下厳禁!700年続く歴史を伝承
大松明の担ぎ手は、地元の消防団「津島市消防団西分団」を中心としたメンバー。祭り歴28年の分団長・松永純一さんが全体の指揮を執ります。 (分団長(指揮役)・松永純一さん) 「700年続くお祭りなんですけど、松明は一度も落としたことがないって聞いたので、落とさないように。4年ぶりに大きな松明を担ぐので、うまく担げるのかなっていう…。ぶっつけ本番なんで!」 担ぎ出し1時間前の午後7時、担ぎ手たちは、大松明のもとへ。ここで、初めて今年の大松明を担ぎ、スタート地点の鳥居前まで運びます。大松明1本の重さは約700キロ、25人ほどで担ぎます。松明に取手はなく、葭を縛っている縄を持つしかありません。 一番の難所かつ一番の見せ場は、豊臣秀吉が寄進したとされる楼門の通過、火のついた大松明を担いだまま、タイミングを合わせて、この難所をダッシュで通過します。松永さん曰く、「もし転んで、地面に引きずられてでも、縄は離さないこと。松明を落としてはいけない」とのことで、担ぎ手の過酷さが伺えます。 15回目の祭り参加にして、初めて前誘導を務めるのは、上田昌也さん。先頭で火の調整や舵取りを行う花形ですが、最も過酷なポジションでもあります。 (「前誘導」初挑戦・上田昌也さん) 「熱い。服が溶けたり…。なので後ろの人に燃えていたら消してもらう」 普通ならありえない距離で炎と向き合う前誘導。上田さんの初挑戦が始まります。